元伊代表トッティの現役続行J2東京ヴェルディ入りの可能性が残った!
イタリアサッカー界を代表するスーパースターで、今年5月に25シーズンにわたって在籍してきたセリエAのローマを退団したFWフランチェスコ・トッティ(40)の獲得に乗り出している、J2東京ヴェルディの羽生英之社長が9日、交渉に大きな進展があったことを明らかにした。 交渉はトッティの代理人を務める実兄とヴェルディの間に、日本人の代理人が入る形で進められている。その日本人の代理人から今月6日、羽生社長のもとに「二択になりました」と連絡が入ったという。 「ローマに役員として残るか、ヴェルディで現役を続けるかの二択ですね。アメリカのマイアミとロサンゼルスからもオファーがあったと言われていましたが、これでアメリカ行きの線は消えたのかなと」 ローマの熱狂的なサポーターである両親の間で生まれ育ったトッティは、1989年にローマの下部組織に入団。1993年3月にわずか16歳でトップチームでのデビューを果たし、以来、セリエA通算で619試合に出場し、250ゴールをマークするなどクラブ最多記録を更新し続けてきた。 2003年夏には世界的なビッグクラブ、レアル・マドリード(スペイン)からオファーを受けるも固辞。ローマ一筋でプレーした究極のバンディエラは、イタリア語で「王子様」を意味する『イル・プリンチペ』という愛称ともに、サポーターから比類のないほど絶大な支持を得てきた。 しかし、ローマ側は昨シーズンをもって契約を更新しないことを決定。トッティ自身もSNS上で退団を報告し、ホームにジェノアを迎えた5月28日のシーズン最終戦の後半9分から途中出場。勝利で有終の美を飾り、終了後のセレモニーでメッセージを読み上げるときには思わず涙を流している。 もっとも、トッティ自身は退団後の身の振り方をまだ表明していない。ローマは幹部就任を要請しているが、現役続行を希望しているとされるトッティは態度を保留。そこへ10年ぶりのJ1昇格を目指すヴェルディが、上位につけているJ2戦線を勝ち抜くための切り札として獲得オファーを出した。 条件提示も済ませ、トッティ側からの返答を待っている羽生社長によれば、ヴェルディの動きが表面化した先月下旬以降、ローマのサポーターの間では激しい反対運動が展開されているという。 「ローマのトッティのままで終わってほしいという声が、ものすごくあるみたいですね。代理人からは『ローマ市内がすごい騒ぎになっていて、トッティが落ち着いて考えられる状況ではない』と聞いているので」 果たして、イタリア代表としても58試合に出場し、2006年のW杯ドイツ大会優勝に貢献した稀代の「10番」は、日本で、しかもJ2の舞台でプレーするのか。可能性を排除できない理由のひとつに、ヴェルディよりもはるかに高額なオファーを提示していたアメリカの2チームを断ったことが挙げられる。