優しい夫が、じつはハラスメント加害者!?夫婦間でも起こるホワイトハラスメントとは
夫婦間にもさまざまなハラスメントが存在します。「恋人・夫婦仲相談所」の所長である三松真由美さんに、一時期ネットでも話題になったホワイトハラスメントについて、解説してもらいます。 【画像】優しい夫が、じつはハラスメント加害者!?夫婦間でも起こるホワイトハラスメントとは
やさしくしすぎるのもハラスメント!?
「ホワイトハラスメント(ホワハラ)」という言葉をご存じですか? 2024年の春クールで川口春奈さんが主演したドラマ『9ボーダー』で言及されていたことでも知られるハラスメントで、SNSでも一時話題になりました。 例えば会社で、上司が部下に対して「その仕事は私がやっておくから、君はやらなくていいよ」と発言をしたとします。その発言、部下は一体どう受け止めるでしょうか? 上司としては悪気がなく、「部下に残業をさせては申し訳ない」と思っての発言だったかもしれません。それに対して部下のほうが「自分の仕事に対する意欲を無視され、やりたい仕事をさせてもらえなかった。それはつまり、上司に自分の成長や成功の機会を不当に奪われた」と感じたら、それは「ホワイト(=やさしさ)」すぎるというハラスメント、ということになる。 同様に「仕事をさせない」だけでなく、その人の能力に合わないつまらない仕事、どうでもいい仕事をあてがって、その人の能力発揮の機会を奪うこともホワイトハラスメントの一つなのだとか…。
料理をさせてもらえない妻、育児に参加させてもらえない夫
ホワイトハラスメントは、夫婦間でも起こり得るものなのです。例えば、つぎのような事例が夫婦仲相談所に寄せられました。 ■フウカさん(仮名/33歳)の例 「うちの夫の趣味は料理です。豪快な「男の料理」みたいなメニューではなく、茶わん蒸しや煮魚など、繊細な日本料理が得意です。もともと器用で細やかな性格なので、昆布や鰹節できっちりとお出汁をひいて作る和食は、かなりレベルが高いです。はっきり言って私より料理上手なのは認めざるを得ません。 私の方が料理下手なことは十分自覚しています。でも、『フウちゃんは、食洗器対応と片づけだけでいいよ。作るのは僕がするから』と私に調理をさせてくれないのは傷つきます。私だっていろいろトライして料理がうまくなりたいのに…食器の下洗いとか面倒なことだけさせられて不満です」 ■ケイタロウさん(仮名/44歳)の例 「今年の春、念願の第一子を授かりました。2年ほど不妊治療を続けて、やっと授かった子宝です。正直、不妊治療期間中はお互いに先が見えずに喧嘩ばかりして、精神的にも消耗していましたが、無事に生まれてきた我が子を立ち合い出産で間近に見ることができて本当にほっとしました。 大切な我が子の成長にもできるだけ関わっていきたいと思っているので、早速育休を2カ月取得したところ、妻に『え、なんで? 』と怪訝な顔をされました。『僕もできるだけ子育てに関わりたい』と言ったところ、『実家の母に来てもらうから、毎日家にいてもやることないよ』という返答でした。 さらに『せっかく授かった大事な子どもだから、3人も子育てを経験した母に面倒を見てもらいたい。入浴とかもあなたがやるのは不安だから、手を出してほしくない。それよりも会社に行ってしっかり稼いでほしい』とはっきり言われました。 世の中の男性は『子育てに参加してくれない』と怒られることが少なくありませんが、僕は『子育てに参加するな』と怒られるんです…」
相手を思いやった行動が相手を傷つける可能性も!
家事も育児も誰でも最初は初心者。得意不得意があるのも当たり前です。 そんな時、相手の想いを汲んだコミュニケーションができないと、夫婦間でもホワイトハラスメントが発生してしまいます。 相手を思いやった行動が、実は相手を寂しくさせていた。新しいジャンルのホワハラ。「もしかして?」と感じたかたは、一言尋ねてみてください。「よかれと思って言ったけど、あなたの気持ち聞かせて」です。 長年連れ添った夫婦こそ「よかれと思って」が意外な落とし穴になるかもしれません。 ※記事の内容は記載当時の情報であり、現在と異なる場合があります。 構成/サンキュ!編集部
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