ガリ版印刷に興味津々 松本の旧開智学校で実演会
コピー機が普及する前の昭和40年代まで学校などで使われた謄写版(ガリ版)印刷の実演会が16日、長野県松本市開智2の旧開智学校校舎で開かれた。謄写版を使った浮世絵などの制作に取り組む孔版画家の佐藤勝英さん(59)=上伊那郡宮田村=が講師となり、実演を通じて失われつつあるガリ版印刷の技術を伝えた。 宮田さんは半透明のろう原紙に鉄筆で旧開智学校のシンボルの塔屋を描いた。原紙をセットした謄写器の上からインクを乗せたローラーを転がし、用紙に原画の塔屋が印刷されると見学者から「わあ、すごい」と歓声が上がった。 相模原市から父親と観光で訪れた小学校5年生はローラーで原画を刷る体験をし、「難しそうだったけどきれいに刷ることができた」と喜んでいた。 佐藤さんは、松本市城東1に謄写版印刷の工房「黒船工房」を構えた故・赤羽藤一郎さんの最晩年の弟子で、赤羽さんの死後に工房の印刷機材や印刷作品が旧開智学校に寄贈されている。
市民タイムス