仕事に忙殺される起業家がつい見失う2つのこと 「CDベイビー」創業者が教えるシンプルな原則
でも、自分にとっては当たり前のことでも、他人にとっては驚くべきということもある。 意外にも、この本はビジネスの経験が豊富な人から受けが良かった。「忘れかけていた初心を思い出させてくれる」ということらしい。 経験の浅い起業家からも、ベテランの起業家からも、「基本に立ち返るのに役立つ」という感想が寄せられた。 特に、次の2点の大切さをあらためて実感できるのだという。 1 起業の究極の目的は幸福だ 利益やサービスの追求さえも、突き詰めればそれは自分や顧客を幸せにするためのもの。だから、幸福を最優先させよう。たとえそのことで利益が減ったとしても、自分と顧客を幸せにすることをビジネスの中心に据えること。
2 他人の真似などいらない 自分の会社では、自分で自由にルールをつくれる。思いどおりに夢を叶え、小さなユートピアを創造できる。他の企業がしていることは無視して、自分にとって理想的な世界はどのようなものかを考えよう。 この本では、僕がスモールビジネスを立ち上げ、成長させることに費やした10年間に育んだ哲学を語っている。 そこにはいくつかの共通したテーマがある。主なものをここに紹介しよう。 ⚫︎「ビジネス=お金」ではない。ビジネスで一番大切なのは、他者や自分にとっての夢を実現すること。
⚫︎起業は、自分を成長させながら世界をより良い場所に変えていくための、すばらしい方法になる。 ⚫︎会社をつくるとは、ユートピアをつくること。そこでは、理想の世界をデザインできる。 ⚫︎決してお金のためだけに何かをしてはいけない。 ⚫︎自分の利益ばかりに目を向けず、誰かの役に立つことを考えるべき。 ⚫︎成功とは、改善と発明を繰り返すことによってもたらされる。うまくいかないことを繰り返してもたらされるのではない。
⚫︎事業計画どおりには物ごとは進まない。世の中の本当のニーズは、実際にビジネスを始めるまでわからない。 ⚫︎お金がない状態からビジネスを始めることには利点もある。誰かを助け始めるのに、資金はいらない。 ⚫︎あらゆる人を喜ばせることはできない。堂々と対象を絞ろう。 ⚫︎自分がいなくてもビジネスが回るようにしよう。 ⚫︎何をするにせよ、本当の目的は幸せになること。ハッピーになれることだけしよう。
デレク・シヴァーズ :CDベイビー創業者、ミュージシャン