来季シード大逆転奪取へ 吉田優利が「頭をフル回転させた」最高の初日
◇米国女子◇FM選手権 初日(29日)◇TPCボストン(マサチューセッツ州)◇6598yd(パー72) 【画像】吉田優利のカメラ目線 かつてPGAツアー競技が行われたTPCボストンは、初開催の米女子ツアーのメンバーにはやはり難コースだ。暫定トップスコアが4アンダー、1打差の同2位に8人がひしめく。我慢が必要な混戦の中で、吉田優利が踏ん張った。 午前組のアウトスタートから4バーディを奪い、ボギーは1個だけ。3アンダーの2位グループで初日を終えた。米ツアー14戦目で自己最高位の滑り出しだ。
吉田は中継局WOWOWのインタビューで明るい表情を見せた。「今日はすごくピンポジションが難しく、ショットをビタッとつけられることがなかなかなかったですけど、パットがいい転がりをしていたので」。パー5でも気の抜けないコースで、風もあった。ピンから逆算し、ティショットの置きどころなど、マネジメントを熟慮して、グリーンを外せば、アプローチに気を使う。「頭をフル回転させた」という一日だった。
「パリ五輪」、出場できなかった前週のメジャー「AIG女子オープン」(全英女子)を挟んで、4週ぶりのツアー出場だったが、ブランク期間の調整がうまくいったようだ。「思ったような球が出るショットが増えました。もともと打っていた高い球が戻ってきた」。フェアウェイキープ率78.6%(11/14)、パーオン率77.8%(14/18)とショットが安定。ベント芝のグリーンにも「芝の密度が濃くて、日本のイメージに近い」と好感触があった。 8月上旬「ポートランドクラシック」後の第2回リランキング(出場優先順位の入れ替え)でポイントランキングを上げきれず、現在127位。今大会を含め、残り10戦。エントリー済みの「クローガー・クイーンシティ選手権」(9月19日開幕、TPCリバーベンド/オハイオ州)、「ウォルマートNWアーカンソー選手権」(9月27日開幕、ピナクルCC/アーカンソー州)も出場は確定ではなく、その後の「TOTOジャパンクラシック」(10月31日開幕、瀬田GC北コース/滋賀)などアジアンシリーズ4試合は出場人数が絞られるため、さらに出場は厳しい。
来季シード権は「ポイントランク80位以内」。数少ないチャンスで“逆転”するには優勝争いを重ねる必要がある。難易度の高い最終18番はナイスパーだった。「明日につながればいいですね」。前向きに明るく、吉田は残り3日を見据えた。