「実力とのギャップに苦しんだ」前S班・山口拳矢が挑戦者として再スタート 準決勝で中川誠一郎と“ダービー王”連係/立川競輪G3
立川競輪場の「開設73周年記念・鳳凰賞典レース(G3)」は5日、2日目を開催。二次予選7Rを走って1着の山口拳矢(28歳・岐阜=117期)に話を聞いた。 赤板過ぎに取鳥雄吾が上昇すると、すかさず打鐘前に山口拳矢が叩く。4番手に下げた取鳥だが、最終ホームで空いた内を突いて先行。番手にはまった山口が直線で踏み込んで今年初勝利を飾った。 S班として戦った昨年。前半はインフルエンザ2回に、扁桃腺炎、ノロウイルスと体調不良に苦しみ、なかなかリズムを掴めなかった。前走の広島記念in玉野では、落車で無念の途中欠場という形で赤パンを脱ぐことに。 誰よりも歯がゆさを感じたのは山口自身であるだろう。 「成績が伴わず、S班としての責務を果たせなかった。圧倒的な脚力で上がってきたわけじゃないし、そこを組み立てでカバーしていかないといけないのに、調子が安定せず自信もなくなっていって負の連鎖に。実力とのギャップに苦しむ部分があった」と昨年をふり返り、心情を吐露。 それでも、得るものは大きかったと言う。 「(S班は)なりたくても簡単にはなれないですし、年が明けて気持ちを切り替えて臨もうと思って。今日も先行はできなかったけど、前々に行こうという姿勢が良い方に働いて展開も向いてくれた。記念の準決勝で満足しているようでは上には上がれない。去年の分まで、払拭できるように頑張ります」 前回の落車の怪我は左肩亜脱臼。状態面に不安は残るが、気持ちの面では攻めの姿勢が感じられる。再び挑戦者として、昨年の鬱憤を晴らす一年にしてほしい。 準決勝は山口に中川誠一郎がマーク。夢の“ダービー王”連係が実現する。菊池岳仁と野口裕史で踏み合う展開なら一撃も十分だ。(アオケイ・八角記者)