ビーチサッカー監督復帰のラモス氏が仰天プラン「物足りない選手ばかりだ」
離れている間も、ビーチサッカー日本代表が気になった。グループリーグで敗退した昨年5月のワールドカップ・バハマ大会をテレビ越しに見て、ちょっとした違和感を覚えた。 「いまのA代表にも言えるけど、ファイトあふれるプレーが足りない。以前に見せた粘りはどこに行ってしまったのか。ビーチサッカーだろうがフットサルだろうが野球だろうがゲートボールだろうが、日の丸を背負って戦うことはすごく名誉だし、誰にでもできることじゃない。 もうちょっとプライドをもってプレーしてほしいし、その意味で物足りない選手が増えてきている。ハングリー精神を取り戻さないといけないし、技術よりも運動量を増やさないと勝てない。ビーチサッカーをもっと盛り上げるためにも、120%の力で精いっぱい頑張るつもりです」 ここまでは代表監督としての抱負だった。一方では南米やヨーロッパの強豪国と比べて、選手層が絶対的に薄い点を補うための方策も思い描いてもいる。 ヒントは2度目のワールドカップを指揮した2009年のドバイ大会で、2005年5月に引退していた元日本代表MF前園真聖さんを代表メンバーに招集したことだ。 「もう一回盛り上げるためには何が必要かと思ったときに、ゾノ(前園真聖)に声をかけて合宿に参加してもらった。ビーチサッカーが面白いと言ってくれたゾノに対して、5kg痩せたらワールドカップに連れて行くと約束したら、ゾノは本当に5kg痩せてくれたんですよ。そういう選手たちにもできれば興味をもってもらえればと思っているし、何人かに声をかけようかなと。(中村)俊輔や遠藤(保仁)はどうなのかな、と思っていますけど。まあ、それは内緒ということで。もし実現したときには、ぜひ練習を見にきてください」 サッカー界全体を見渡しながら、ビーチサッカー代表の構成を考える視線はゼネラルマネージャーともいえる。前園さんの一時的な現役復帰が世間の大きな注目を集め、ビーチサッカー代表の認知度を高めたことを考えれば、ラモス監督の手法は敏腕なプロデューサーとも仕掛け人ともいえる。 ジョークにせよ中村や遠藤の名前を挙げたことで、何をやるのか、という期待が集まる。還暦をすぎた闘将の視線は、ここ数年間で激変したビーチサッカーのアジア地図へ向けられている。