エヌビディアの次はメタが株式分割か、株450%高騰で機は熟したの声
(ブルームバーグ): ウォール街では株式分割が今年増えていることで、どの企業が続くかに注目が集まっている。アナリストからは次はメタ・プラットフォームズだとの指摘が聞かれ始めた。
ハイテク大手7社で構成する「マグニフィセント・セブン」の中で、株式分割を行っていないのはメタだけだ。株価は4月につけた最高値からは押し戻されているが、2022年につけた安値からは450%余り上昇している。
マホニー・アセット・マネジメントのケン・マホニー社長はメタ株価は投資家にとって重要な水準と考えられている500ドルを超えており、「株式分割の機が熟した」と話す。メタの株価はここ1年、人工知能(AI)ブームや自社株買い、配当の開始などによって押し上げられてきた。
株式分割は企業のファンダメンタルズを変えるものではないが、1株当たりの株価を引き下げる。そのため株価の高さが壁となって投資を敬遠していた個人投資家や従業員にとっては、妙味が増しそうだ。また株価加重平均のダウ工業株30種平均に採用されやすくなる可能性もある。ダウ採用銘柄で現在、1株500ドル以上で取引されている企業はない。
足元では、エヌビディアが5月に1株を10株に分割する計画を発表したことで、株式分割に再び注目が集まっている。エヌビディアは9日から分割後の株価での取引が始まった。S&P500種株価指数構成銘柄の中で今年に入り株式分割を発表したのはエヌビディアで6社目。2023年は4社だった。
バンク・オブ・アメリカ(BofA)のアナリストは、今後もテクノロジー株で株式分割の動きが広がる兆しだと述べている。マグニフィセント・セブン銘柄で2022年以降に株式分割を行ったのはエヌビディアで4社目。エヌビディアの前はアルファベット、アマゾン・ドット・コム、テスラで、アップルはその数年前に当たる20年に株式分割を実施している。
BofAによると、ブロードコム、ラム・リサーチ、スーパー・マイクロ・コンピューター、KLA、ネットフリックスなどのテクノロジー企業が株式分割を行う候補だとみられている。またマイクロソフトは1株500ドル近辺ではないが、20年余り株式分割を行っていないため、実施する可能性があるとBofAは指摘している。