ドラマ『春になったら』木梨演じる父・雅彦の「膵臓がん」とは? 初期・末期症状も医師が解説
すぐに病院へ行くべき「膵臓がんの症状」
ここまでは膵臓がんの症状を紹介してきました。以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。 ■急に黄疸が出現した場合は、消化器内科へ 腹痛や背部痛は膵臓がんの初発症状として多いものの、他の病気の可能性もあるので、特徴的な症状とは言えません。 一方で、黄疸が出現してきた場合には膵臓がんの他に、胆嚢がん、肝臓がんなどの重症な病気を起こしている可能性が高くなります。そのため、眼の白目の部分や身体が黄色くなってきたと感じた場合には早めに消化器内科を受診して精密検査を受けることが勧められます。 ■受診・予防の目安となる「膵臓がん」のセルフチェック法 ・慢性的な腹痛がある場合 ・安静にしていてもよくならない背部痛がある場合 ・黄疸の症状がある場合
「膵臓がんの症状」についてよくある質問
ここまで膵臓がんの症状を紹介しました。ここでは「膵臓がんの症状」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。 編集部: 膵臓がんの余命一ヶ月の症状を教えて下さい。 中川先生: 膵臓がんで余命一ヶ月と言われている場合、癌が大きくなり、他の臓器にも転移を起こしている場合がほとんどです。まず、膵臓がんが大きくなった場合には、お腹や背部の痛み、体重減少、食欲不振、黄疸などの症状を起こします。 また、他の臓器に転移をしている場合には臓器別の症状を起こします。脳転移の場合には、四肢の筋力低下や麻痺、痺れ、頭痛などの症状があります。また肺転移であれば徐々に呼吸不全が進行していき、骨への転移では全身の痛みが起こります。 これらにより最終的に衰弱し、食事や水分を摂ることが難しい状態になるのが、余命一ヶ月の症状となります。 膵臓がんは男性と女性で症状に違いはありますか? 中川先生: 一般的に、男性、女性という性差によって、膵臓がんの症状に違いはありません。性別に関係なく、膵臓がんが進行することによって、ここまでご紹介してきた腹痛、背部痛、食欲不振、体重減少、黄疸などの症状が出現します。 編集部まとめ 膵臓がんは特有の症状に乏しく、無症状で進行することが多いため、早期に発見することが難しいがんの一つです。初期の症状として腹痛や背部痛、黄疸、糖尿病、食欲不振などがあり、進行すると多臓器への転移、がん性腹膜炎などを発症してしまいます。 早期発見のためには定期的な健診や人間ドックなどを活用して、異常や症状がある場合には早めに病院を受診するなどの自身の健康管理に努めることが重要です。
【この記事の監修医師】 中川 龍太郎 先生(医療法人資生会 医員) 奈良県立医科大学卒業。臨床研修を経て、医療法人やわらぎ会、医療法人資生会南川医院に勤務。生活習慣病や肥満治療、予防医学、ヘルスメンテナンスに注力すると同時に、訪問診療にも従事している。日本プライマリ・ケア連合学会、日本在宅医療連合学会、日本旅行医学会の各会員。オンライン診療研修受講。
Medical DOC