衆院選の山口2区は与野党一騎打ちへ 共産党が擁立見送り
共産党山口県委員会は7日までに、次期衆院選の山口2区に候補者を立てないと決めた。立憲民主党との「共闘見送り」に言及する共産党中央委員会の意向を踏まえて擁立を探っていた。2区は、自民党現職の岸信千世氏(33)、立憲民主党元職の平岡秀夫氏(70)による与野党対決の構図が固まった。 【写真】あいさつする岸氏と街頭演説する平岡氏 県委員会によると、擁立見送りは5日の総会で決めた。吉田貞好委員長は「総合的に検討した結果。比例代表に全力を挙げる」と話す。今夏以降、候補者を立てるかどうか検討していたという。 昨年4月の2区補選では岸氏が平岡氏との一騎打ちを制した。共産党は当時無所属で立候補した平岡氏と政策合意し、候補擁立を取り下げた経緯がある。県委員会は今回、党員に投票先の呼び掛けはせず、自主投票とする考えを示した。 2区では立候補を予定する岸氏と平岡氏以外に動きはなく、再び一騎打ちとなる見通し。両氏の陣営は準備を急ピッチで進める。 岸氏は6日、2区内の地方議員や首長、後援会員たちが集まる周南市内での会議に出席。同市の敬老会も回った。岸氏は中国新聞の取材に、同市全域が選挙区となることを踏まえ「エリアが広大になったが、しっかり戦っていきたい」と強調。自民党県議の1人は「誰が相手でも党の政策と人柄を訴えていくだけだ」と気を引き締める。 平岡氏は有権者との対話や街頭演説を重ねる。JR徳山駅前(周南市)での5日の演説では自民党派閥の裏金問題を批判し、「信頼される政治を取り戻したい」と力を込めた。陣営幹部は共産党の擁立見送りについて「他党なので何か言う立場にないが、野党で力を合わせて自民党政治を終わらせないといけない」と述べた。
中国新聞社