「ここで強くなった」IBF世界バンタム級新王者の西田凌佑が母校・近大に凱旋 記念館での試合構想も
プロボクシングのIBF世界バンタム級新王者の西田凌佑(27)=六島=が17日、母校の近大ボクシング部(東大阪市)を表敬訪問し、元WBA世界スーパーフライ級王者の名城信男監督(42)や後輩らに世界王座奪取を報告した。 奈良・王寺工高でボクシングを始めた西田は近大ではライト級で全日本本選手権ベスト8、関西リーグMVPなどの成績を残したが、2019年春の卒業後は一度はボクシングから離れ、一般企業に就職。だが、プロに進んだ同部の同級生の活躍に刺激され、同年秋にプロ入りすると、今年5月4日のプロ9戦目(エディオンアリーナ大阪)で王者のエマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)に3-0で判定勝ちし、世界初挑戦で王座を奪取した。 元選手で全日本女子を3連覇し、東京五輪代表候補だった妻の沙捺さん(旧姓河野)も同部の同級生で、学生時代からの交際を実らせ、結婚している。 西田はこの日、沙捺さと今年3月に誕生した長女の莉奈ちゃんの親子3人で訪問。「目標に向かって努力することを近畿大学で学んだ。それがあってプロでも頑張れている」と母校への感謝を語り、「懐かしいのと、ここで強くなったという思いがよみがえってきました」と闘志を新たにした。 西田と沙捺さんを当時はコーチとして指導していた名城監督は「大学時代は沙捺の方が活躍していた。ここまで強くなってくれるとは」と西田の成長を喜び、「(西田は)守ったら強いボクシング。タイトルも家族も守っていって欲しい」とエールを送った。 所属ジムの枝川孝会長によると、次戦は年内に行いたい意向だが、時期や相手などは未定。一方で、将来的には他団体との統一戦などのビッグマッチをキャンパス内にある収容人数1万人の近畿大学記念館で行う構想もあり、西田は「(同記念館で)できるのならやりたい」と目を輝かせた。 同記念館では、1983年7月7日に近大OBで「浪速のロッキー」と呼ばれた赤井英和がWBCジュニア・ウエルター級王者のブルース・カリー(米国)に挑み、7回TKO負けした試合などが行われている。