「取ってほしい」巨人・菅野が来季のMVPに激推し 「僕も今年やれた」自身と同じく復活願う2人
◆NPB AWARDS 2024 supported by リポビタンD 今季のプロ野球のタイトル獲得者などを表彰する「NPB AWARDS 2024 supported by リポビタンD」が26日、都内のホテルで行われ、巨人・菅野智之投手(35)が4年ぶりにセ・リーグの最優秀選手(MVP)を受賞した。35歳での獲得はセ・リーグ投手最年長で、3度の受賞も同初。パ・リーグはソフトバンク・近藤健介外野手(31)が初めてMVPに輝いた。新人王にはセが巨人・船迫大雅(ふなばさま・ひろまさ)投手(28)が球団史上最年長で、パが西武・武内夏暉投手(23)が受賞した。 紺色のスーツを身にまとい、菅野はキリッとした表情で口を開いた。4年ぶりに輝いたMVPの栄誉。壇上で「3回目の受賞ですけど、今回が一番うれしいです。今年は監督も代わって、一緒に現役時代プレーしていた阿部監督の下で何とか優勝したいと思って臨んだシーズンだったので、その中心にいられて本当にうれしい」と喜びを口にした。 リーグ優勝へ、1年間貢献し続けたプロ12年目。24登板15勝3敗、防御率1・67で最多勝、最高勝率、ベストナイン、ゴールデン・グラブ賞を獲得した。先発に加えて中3日での救援登板もあったCS最終Sで敗れ日本一に届かなかったのは悔いが残るが、「それも含めて本当に素晴らしい経験をさせていただいたので、自分の野球人生で忘れられないシーズンになりました」と感慨深げに話した。 35歳でのMVPはセ投手最年長で、3度の受賞も同最多。「去年の今頃は、菅野がMVPを取ると思っている人はいなかったんじゃないか。オッズ100倍くらいだったでしょ」と笑う。昨季は開幕から出遅れるなど不本意なシーズンを送った。それだけに「一番勝負を懸けたシーズン」で見事な復活劇。「久保コーチに出会ってなかったらこの場にいられてないと思う。プレーの面では、小林の存在が大きかったのかな」と新フォーム構築などに手を差し伸べてくれた久保巡回投手コーチや女房役の名前を要因に挙げた。 輝きを取り戻した35歳の栄誉は、巨人にも好影響を与えるはずだ。「みんなにいい刺激になればいいなと。同じ年代の、例えば勇人(坂本)さん。投手でいったら個人的に皓太(中川)にもっと頑張ってほしい。僕も今年やれたので、皓太もまだまだできると思っているし、そういう人たちの励みにもなればいいのかな」。その上で来年のMVPには「僕は勇人さんに取ってほしい」と願いを口にした。 海外FA権を行使してメジャー挑戦を表明している。山あり谷ありの野球人生の原動力には「やっぱり野球が大好きだから。大好きな野球で一番になりたいと思って始め、大きな原動力、根底にあるものは変わっていない。その気持ちがある限り、僕は頑張れる」。向上心を持ち続ける菅野の、野球人としての旅路は続く。(田中 哲)
報知新聞社