「平家物語」に見入る 萬斎さん伝統芸能ラボ
●県立音楽堂 狂言師の野村萬斎さんが伝統芸能のアップデートに挑む「萬斎の伝統芸能ラボ」(北國新聞社、一般財団法人石川県芸術文化協会共催)は27日、金沢市の石川県立音楽堂交流ホールで開かれた。「平家物語」を題材とした二つの作品が上演され、来場者が映像や音楽を駆使した歴史絵巻に見入った。 劇作家木下順二氏の「子午線の祀(まつ)り」の最後の一幕である壇ノ浦の合戦に続き、能の人気曲「船弁慶」が上演された。合戦で敗れた平知盛の怨霊をシテ方観世流の片山九郎右衛門さん、源義経を野村裕基さん、義経ら一行の船の船頭を萬斎さんが務めた。 プロジェクションマッピングを活用し、作曲家・ギタリストの大友良英さんと一噌(いっそう)流笛方の一噌幸弘さんが生演奏で盛り上げた。 ●被災地の生徒ら招待 この日、会見した萬斎さんは7月10日に県立音楽堂で開催する県内学校公演「山月記・名人伝」に被災地から七尾東雲高の生徒350人を招待すると紹介した。公演は8日に能美市、9日に加賀市でも開き、地元の中高生を招く。