若者は、どうして基礎を先に覚えるのか 新米のら猫コンサルが見た自動車ディーラー「若者のリアル」(4)
「場」を用意するために
野球少年の話に戻ります。彼は確かに能力が高い半面、普段の練習態度やチームワークを乱す行動がたびたび見受けられました。それを見た監督は、彼を試合で使わなかったのです。これは日々のセールス活動でも同じことが起こり得ます。 どんなに商品知識を身に付けても、素晴らしいセールストークを身に付けたとしても、お客さまが聞いてくれなければ何の役にも立ちません。お客さまはセールスパーソンの「人」を見て、話を聞くか否かを判断しています。誰だって気の合わない人からは買い物をしたくないものですよね。高額商品ならその傾向はより顕著です。 覚えておきましょう。スキルやテクニックは基礎という土台の上に成り立ちます。お客さまに人として認められ、初めて提案を聞いてもらえる「場」を用意してもらえます。基礎こそが販売台数を伸ばす一番の源になるのです。 文:株式会社プログレス 江原忠宏 〈プロフィル〉えはら・ただひろ 2006年東海大学電子情報学部卒、同年国産ディーラー入社。営業職、店長を務めるも、17年5月輸入車ディーラーに転職。入社2年目に係長昇進、3年連続で販売優秀者表彰。その後人材育成にやりがいを見出し、2020年プログレス入社。「人材を『人財』に」をテーマに活動中。静岡県出身、41歳。