ドジャース・山本由伸 鮮烈8K「今年の中でもトップにいいくらいの感覚」 3カ月ぶり復帰登板4回1失点
「ドジャース3-6カブス」(10日、ロサンゼルス) 右肩を痛めていたドジャースの山本由伸投手(26)が約3カ月ぶりの復帰マウンドで圧巻の奪三振ショーを見せた。17年ぶりに日本人選手4人がスタメンに名を連ねたカブス戦で先発し、4回4安打1失点。勝ち星は手にできなかったが、計8奪三振の力投で完全復活を印象づけた。先発で投げ合ったカブスの今永昇太投手(31)が7回7安打3失点で13勝目を挙げた。ドジャースの大谷は4打数無安打。カブスの鈴木は5打数3安打1打点で勝利に貢献した。 【写真】鮮烈8K「今年の中でもトップ」な復帰登板 60球制限のマウンドで投球の神髄を披露した。6月15日のロイヤルズ戦以来、87日ぶりに立ったメジャーの舞台。山本が初回からトップギアで右腕を振った。 メジャー148本塁打の先頭ハップをカーブで空振り三振に仕留めると、2番スワンソンと3番鈴木にはこの日最速の157・6キロを投げ込んだ。二回2死まですべてのアウトを三振で奪った。二回2死一、二塁から一塁正面のゴロ打球がイレギュラーし、適時内野安打になる不運もあったが、崩れない。三回も3連続三振を記録した。 4回8K。驚異の奪三振ショーで5万1923人が埋めた本拠地を熱狂させた。山本は「今年の中でもトップにいいくらいの感覚で投げられた」と自己分析。「無事に復帰でき、いい投球内容で終われたのですごくほっとしています」と安どの表情を見せた。 日米通じて初めて今永とも投げ合った。同じメジャー1年目。昨年3月のWBCで世界一の歓喜を分かち合った5つ上の先輩とは普段からショートメッセージでやりとりする間柄だ。「メジャーの同じ試合に出場できてすごくうれしく感じました。勉強になるところがたくさんありました」 約2カ月半の長期離脱。多くの収穫もあった。サイ・ヤング賞3回、通算212勝のベテラン左腕、カーショーからは投球フォームの助言をもらった。「変化球がすごく決まったのはアドバイスのおかげ」と感謝した。 四回を投げ切ってベンチに戻った山本を強く抱き締めたロバーツ監督は「とても良かった。直球の制球も良く、変化球も狙い通り。本当に興奮した」と大絶賛。残り17試合で3登板を予定していること、次回登板は75球の制限で6日後の敵地でのブレーブス戦になることを明かした。 試合開始50分前、背番号18が投球練習のため、フィールドに姿を見せると、客席から声援と拍手が起こった。「温かい歓声を送っていただきました。リハビリを頑張ってきて本当に良かったなと思います。ありがとうございます」。救世主。さらなる快投で期待に応える。 ◆日本勢4人先発は17年ぶり 大リーグの1試合に4人の日本人選手が先発したのは、2007年5月4日のヤンキースとマリナーズの一戦以来、17年ぶりとなった。当時はヤンキースで井川と松井秀、マリナーズはイチローと城島が出場した。ドジャースの山本とカブスの今永はメジャー1年目。日本人の新人先発投手による対決は少なく、2012年9月14日にレンジャーズのダルビッシュとマリナーズの岩隈が投げ合った例がある。