40代、暮らしの中心は「理想がつまったキッチン」。使いやすく、気分も上がる
なかなか条件に合うキッチンが見つからず、「ならば」と家ごと建ててしまったという文筆家・料理研究家のツレヅレハナコさん(現在40代)。理想をつめこんだひとり住まいのキッチンは、暮らしの中心になっています。そんな妥協なしにつくったキッチンの、機能的なポイントや収納の工夫を見ていきましょう。 【写真】ツレヅレハナコさん愛用の調理器具
料理好きがこだわりぬいた「機能的キッチン」
2020年の春、ツレヅレハナコさんが建てた家が完成しました。いえ、この場合、建てたのは家ではなく、キッチン。そう表現したほうがいいくらい、なにからなにまでキッチン優先の家づくりでした。 「まさか家を建てるなんて。そんなつもり、全然なかったんです」(ツレヅレハナコさん、以下同) 食べることが好きで好きで仕方がない。そんなツレヅレハナコさんの、生活の中心はキッチン。訳あって前の家を引っ越すときに、次の家探しでどうしても譲れないキッチンのポイントがありました。 ・コンロの横に窓があること ・クローズドであること このふたつを最大の条件に、新居探しをしました。探していたのはマンションです。一軒家、ましてや一から建てるなんて、当初は考えてもみませんでした。何軒も見て回りましたが、これだという物件には出合えません。諦めかけていたときに、リノベーション設計をお願いしていた建築士の方に「一から建てる方法」を探ろうと提案されたのです。新しい風が吹きました。 レシピ開発や料理撮影などの仕事、なにより自分の楽しみのすべてでもあるキッチン。妥協なく、理想をつめ込めるなんて。やろうと決心をしました。 「とにかくキッチンがすべて。広いベッドルームも、バスタブだっていらない。優先順位がはっきりしていたし、イメージは固まっていたのでスムーズでした」
鍋もフライパンも、ツールはすべて「一軍」
家の全体像が見える前から「どうしてもつくりたい」とオーダーしていた、愛用鍋を並べるオープン棚。キッチンとリビングルームの間の壁、家でもいちばん目立つ場所に鎮座。 並ぶのは単なる「見せ鍋」ではなく、どれも現役です。 棚・エレクターは前の家から引き続き愛用しているもの。ひとり住まいには多めに見える鍋もフライパンも、全部なくてはならないツール。「大好きなものに囲まれていることこそ幸せ」なのだそう。
キッチン収納は見やすく、取り出しやすく
好きで集めたものばかりの道具類は、全部出しておきたい派。器も然りだけれど、「前の家もオープンにしまっていた食器のホコリが気になったので透明の扉をつけて解決」。 割れないようにアクリル板をチョイスしました。 調味料、乾物など、食の探求者としてついつい増える食材(そしてお酒!)を収納できるパントリーは念願でした。キャスターつきで、どこからも取り出しやすいオープン棚は大工さんが作成したもの。 パントリーとキッチンを仕切る壁は有孔ボードにして、フックを差して吊り下げ可能に。前の家を見にきた建築家が「吊り下げ好き」を見抜き、提案してくれたそう。
ESSEonline編集部