2.24にふたつの世界戦。さらに7人のランカーがひしめく黄金期に突入! 「アフター井上尚弥 」のバンタム級日本人ボクサーが熱すぎる!!
昨年1月に井上尚弥がスーパーバンタム級転向のため4つの王座を返上して以来、バンタム級戦線は群雄割拠の様相を呈している。特に日本人ボクサーは実力者がそろい、2月24日に世界戦を行なう井上拓真、中谷潤人のほか、7人もの世界ランカーがベルトを狙う。かつてWBC王座を12度防衛した"神の左"山中慎介氏に今後の展望を聞いた! 【写真】ベルトを狙う世界ランカーたち * * * ■井上拓真&中谷潤人2.24世界戦の行方 バンタム級は約53.5㎏が体重リミットの階級で、アジアや中南米、カリブの国々を中心に選手層が厚い。日本でも人気のクラスで、ファイティング原田に始まり辰吉丈一郎、長谷川穂積、山中慎介、井上尚弥ら10人を超す世界王者が誕生している。 今、その伝統のクラスの世界トップ戦線を日本人ボクサーが席巻している。2月24日に東京・両国国技館で初防衛戦を行なうWBA王者の井上拓真(28歳=大橋)、同日にWBC王座に挑む中谷潤人(26歳=M.T)を筆頭に、9人が世界15傑に名前を連ねているのだ。 かつてWBC王座に君臨すること5年9ヵ月。12度の防衛を記録した〝ゴッドレフト〟山中慎介氏が説明する。 「井上尚弥くんが統一した4団体王座を返上してスーパーバンタム級に転向したことで、〝王様の椅子〟が4つ空いたということです。その前後のタイミングでバンタム級に転向してきた選手がいる。その結果、これだけのメンバーがそろったわけです」 万能型の長身サウスポーがいれば全KO勝ちのスラッガーもいる。キックボクシングから転向してきた逸材もいる。井上尚弥に続いて誰が天下統一を果たすのか。山中氏と一緒にチェックしていこう。 まずは24日に防衛戦を控えている井上拓真だ。井上尚弥の2歳下の弟で、かつてWBC暫定王座を獲得した実績を持つ実力者である。 【井上拓真=WBA世界バンタム級王者。19戦18勝(4KO)1敗】 「一発の威力には欠けるけれど技術レベルは高い選手。僕は高く評価しています。ただ、今回の挑戦者、元IBF世界スーパーフライ級王者のジェルウィン・アンカハス(32歳=フィリピン)は強敵です。 以前、僕が世界王者だった頃にスパーリングパートナーとして来てもらったんですが、好戦的でサウスポーから繰り出す左はタイミングが良くパンチ力もあります」 両者を高評価した上で山中氏は「6対4、いや5.5対4.5で井上有利」とみている。 「拓真くん自身が言っているように、アンカハスは過去最強の相手だと思います。でも、あえて強敵を選んだほどだから自信もあるのだろうし、これを超えることで彼のレベルが上がる可能性がある。早く見たい試合ですね」 同じ日、フライ級とスーパーフライ級で世界王座を獲得している中谷潤人が3階級制覇を狙ってWBC王者のアレハンドロ・サンティアゴ(28歳=メキシコ)に挑む。 【中谷潤人=WBC1位。26戦全勝(19KO)】 「中谷くんは172㎝の長身で遠い距離だけでなく接近戦もできる選手。中と外とパンチの軌道を変えて打つことができ、タイミングをずらすこともあり、隙がなく打たれ強い」 その言葉を裏づけるようにあるオンラインカジノでは5対1で中谷有利と出ている。だが、山中氏は「苦しい試合になる可能性もある」とみる。 「サンティアゴはノニト・ドネア(5階級制覇王者)に勝っているし、アンカハスと引き分けている実力者。うまくて力強さもあり、簡単に勝てる相手ではない」というのだ。 「そんなサンティアゴを圧倒するようならスゴいこと。楽な試合にはならないと思うけれど6.5対3.5、いや6対4で中谷くんかな。WBCのバンタム級のベルトには僕も思い入れがあるので期待しています」