やるべきことが多くて思考が止まらない...メンタルが疲弊しがちな人を救う“1分の習慣”
考えるのをやめてみたら、ものすごくラクになった
私も以前は、「今日はあれとこれをし、明日はああしてこうして、これを1週間続ければ......」などと考えずには仕事ができませんでした。それがいまでは、明日の予定など頭に浮かべるのもムリで、それどころか午前中には午後の予定すら想像できません。 これは、努力して「考えるのを止める習慣」を試行錯誤した成果です。どうせ「先の計画」を立てても役になど立たないのです。 以前の私は、一年中24時間の記録を残し続けていました。その精密な「過去のデータ」をもとに「先の予想」をしていました。ここまでやれば、少しは役立つ計画を立てられそうに思うでしょう。しかし、結果としては「2日先の計画」ですら支離滅裂なものでした。 初めは少し怖いでしょう。でも、少しでいいから私を信じてトライしてみてください。仮にうまくいかなくても、失うのは1分です。思考を止めるのが怖くても、考えないのは1分だけです。1分経ったらいつもどおり頭が痛くなるまで、「考え」と「悩み」に浸りたいだけ浸りなおせるのです。 特殊なドラッグも、アルコールもカフェインすらいりません。タイマーを使って1分間、なにも考えないだけです。それでも習慣にできれば、消耗せずに仕事を進められる精神が手に入ります。
タイマーを1分間セットして、ダッシュしてみる
これを以前は5分でおすすめして、「5分だけダッシュ」と名づけていました。やることはしごくシンプルです。タイマーを5分でセットし、その間だけダッシュしてたとえば部屋を掃除するのです。 これをさらに短くして、「1分間ダッシュ」するというわけです。やることはなんでもかまいません。ただ、これは「ダッシュ」して「1分間で終了」にしましょう。 片づけてみたら思った以上にできそうだからといって、1時間も2時間もやってしまわないようにします。1分でいったん終了、できればそこで切り上げましょう。この方法のメンタルへの効果は、不思議なくらいにあります。 少なくとも先に述べたとおり、思考が停止してくれます。さらに作業が進みます。思考を止めて作業を進めるのが、心の消耗を防ぐ小さなコツなのです。 逆に思考だけが走って行動が止まったままだと、心は激しく消耗します。頭の中で「やらなければいけないこと」や「できたときの達成感」を空想し、その空想が体を駆り立てるのに、現実はひとつも変わらないというのはつらいものです。