おとぎ話から抜け出た古城のような佇まいの〈ローズウッド シュロス フシュル〉
歴史ある音楽の都ザルツブルクと塩の町ハルシュタット、ふたつの世界遺産を巡る拠点に便利なザルツカンマーグート地方のフシュル湖。ここはミュージカル映画の金字塔『サウンド・オブ・ミュージック』のオープニングの舞台でもある。折り重なる山々と常緑樹の森、穏やかな湖面と教会が見える小さな村、そしてそこに響く美しい歌声……一瞬にして心奪われる名シーンだ。そのフシュル湖の湖畔に建つ〈ローズウッド シュロス フシュル〉は、もともとは1461年にオーストリアのザルツブルク大司教が別荘として建てたお屋敷。
まるでおとぎ話から抜け出た古城のような佇まいで、1947年からはホテルとして営業をスタート。オードリー・ヘプバーンなどの銀幕のスターや国外から迎える賓客など、往年のセレブたちに愛されてきた。そんな由緒正しい逸話に彩られた豪邸が約2年間の全面改装を経て、今年6月にオープン。新たにラグジュアリーなホテルグループ〈ローズウッド〉の一員となった。 ブランドの哲学は“センス・オブ・プレイス”。歴史ある地域の文化を守りながら、土地の遺産に根差したスペシャルな体験を提供している。たとえば98の客室はオーストリアのエレガントなインテリアで、地元アーティストの作品を採用。多くの部屋からフシュル湖や森を愛でることができる。また、4つのレストラン&バーでは、食材の7割を地元湖水地方で直接仕入れ、郷土料理やオーストリア料理を堪能できる。 さらに特別感が際立つ体験が一般公開されていない、ザルツブルクにある傘の老舗〈キルヒターク〉の工房への訪問。“雨の街”と呼ばれる地の象徴的な場所を訪れるエクスクルーシブな特権だ。絶景と唯一無二の体験は、名作映画のように忘れ得ぬ記憶となるはずだ。
城の最上階にあり、レジデンシャルな雰囲気でくつろげる“デラックス ヘリテージ・スイート”。窓からはフシュル湖のパノラマビューが広がる。
湖にせりだしたような〈シーテラス〉。フシュル湖のマス料理や、オーガニックな羊のチーズなど、湖や山の恵みがひと皿になって供される。