無資格検査問題でIHIの満岡社長が会見(全文5完)32人が関わった
今回の件が経営戦略に影響する可能性は?
日本経済新聞:すいません、日経新聞の【アサダ 01:40:24】と申します。2つありまして1つが、御社の今後の経営の戦略に関わる部分だと思いますが、今まで集中と選択ということでかなり航空事業に特化して進めてこられて、不採算事業を、建機であるとか売却して航空のウエートが高くなってきている状況だと思うんですけれども、こういう事例があって再発防止に取り組むということではあるんですが、これから航空に集中していくという戦略自体に影響することというのはあるんでしょうか。航空事業を中心とした経営戦略に今回の件が影響する可能性があるのかどうかというところをちょっと教えていただけると。 満岡:経営戦略的に全社として大きな太い柱の1つが航空エンジンビジネスであるというのは、今のアサダ記者からのお話のとおりでございます。その位置付けに関して、経営的なものとして変わりはございますかという、もしご質問の内容がそうであれば、大事な柱の1つとしての位置付けは変わらずに、今回見直さねばならない、手を打たねばならない、そこに対してはしっかりとしたものを打っていくというところで考えております。
信用が低下すると思われるが社長はどう認識しているのか
日本経済新聞:今、航空事業というと結構他社の参入も増えてきて、特にエンジンの整備というのはLCC等が広がっていく中でライバルも多数出てきている中で、御社がこういう問題を起こすことでやはり御社の信用というのは低下すると思うんですが、ここで御社の稼ぎ頭だったこの事業に対する影響というのは、直接的というよりも間接的にかなりいろいろ出てくるんじゃないかと思うんですけれども、今回の株価の動きなんかもやはりそこを懸念する動きなんじゃないかと思うんですが、ここについてあらためて社長のご認識をお伺いしたいということなんですが。 満岡:私どもは1980年から航空エンジンのビジネスで国際共同開発のプロジェクトを数年に一度ずつ参入してくるというところで、最初はある意味新参者というところだったんですけども、10年ぐらいたちますと、1990年ぐらいです、いい意味でのパートナーシップを一緒になって築いていこうという形で世界の各社さんと、とあるところは競争し合う、ところがとあるところは協力をし合うという形で実は進めてきたところです。 それが今、世界中のメジャーの皆さん方、あるいはパートナーシップとしていろいろな国の航空エンジンメーカーがございますけれども、信頼関係の下でプログラムを進めているというところがまず1つのポイントです。 それから2つ目のポイントは、今回のものは本当にパートナーの皆さん方にも迷惑を掛けているというところになっているものですので、逆に言いますとパートナーからはとにかく歯を食いしばって、早く必要な再発防止をした上でもって、早くリカバリーしろというような声を頂戴しているところです。それが2つ目です。 それから3つ目は、実は今アサダ記者さまのコメントがあったんですけれど、整備のエンジンのビジネスがここ数年間といいましょうか、もう実は始まりましたのは20年ぐらいから始まっているんですけども、お客さまのほうがLCCなりが比率が増えてきて、どちらかというとそれぞれの航空会社さんが技術なりを持たない、ある意味丸投げしたいからというスタイルの形になりますと、例えば航空エンジンの場合ですと、航空エンジンの購入なり導入なりをお決めになる際に、従来ですと最初にお買い上げいただくところと、それから整備のところは切り離されていたんですけれども、今はそこをパッケージの形でもってご契約いただくという形が大変、比率としては高くなっておりまして、ある意味それは先ほど来申し上げている国際共同開発としてのプログラムが量産、メンテナンスも込み込みの形でもってビジネスをやるというところなものですので、実は瑞穂工場の今の取り扱っている、例えばエンジンなりも、実はパートナーシップの中としてIHIにはこれ、よろしくねというところなものですので、先ほど実はIHIでは入れられないものを他社さんにお回しするというようなこともエンジン、検討していますというのはそのネットワークの中でもっていろいろな調整なりを実際にはしているというところなものですので、今は、2つ目に戻りますと、とにもかくにも、パートナーからもきちんとした形でもってリカバリーをしてくれという強いコメント、期待を出していただいているというところなものですので、今は大変ご迷惑をお掛けしておりますけれども、なんとか信頼回復のところにつなげるような形で再発防止策まで含めた形の対応を取ってまいりたいというふうに感じている次第でございます。