ロッテ岡田、入団以来本塁打ゼロの珍記録 まもなく達成
例え体力に恵まれてなくともプロ野球選手へ道がある。自分の個性に気がつき、それを磨けば、素晴らしい人生が待っている。岡田の記録は子供たちに違った意味での夢を与えるものだ。偶然かもしれないが、入団以来の記録は、横沢氏の1770打席だが、本塁打ゼロの連続打席の日本記録となると、少年・岡田が憧れた元阪神の赤星憲広氏が持つ2528打席(赤星は引退までに通算3本塁打を記録)である。 ちなみにメジャーでは、トミー・セベナウ(1926~38) の3347 打数が、最長記録として残っている(メジャーでは打席ではなく打数でカウントしているようだ)。現在、アクティブロースター入りしている選手の中では、Paul Janish の586打数が最長のようだ。今年の5月28日に、フィリーズのベン・リビア が、メジャーデビューの初打席から1566打席(1466打数)目で本塁打を打ち、その時に、フランク・タベラス が1972から1977年までの1594打数以来となるデビューからの連続打席無本塁打記録の更新だと騒がれた。ちなみにタベラスのプロ初本塁打は、ランニングホームランだったので策越えの本塁打には、3216打数を要している(いずれもElias の調べによる)。 血の滲むような努力を繰り返してきた。ヒットは足で稼ぎ、内野安打率が非常に高い。それでも「狙ってホームラン打てないのと一緒で狙って内野安打も打てないです。守りはイメージできますが、打球はコントロールできるものじゃない」と言う。 2010年、2011年は、960グラムの“つちのこバット”で、グリップをひと握り半も余して「ポイントを体に近づけ、詰まってもいいから、体を使って振り切る。外野の前に落ちればいい」というバッティングを心がけてきた。だが、現在はバットを900グラムの少しグリップの細いものに替え、芯で捉えた際、外野の間を抜けるほどの長打力を求めている。 「ホームランではないですよ(笑)ちょっと外野の間を意識するもの」。盗塁は、今季はまだ8個だが、41個を走ったシーズン(2011年)もある。その極意を聞くと「牽制の癖は見ない方です。盗塁も感性と勇気。スタートは早くないので中間スピードとスライディングでカバーしていいます」と言う。「ここで滑る!」というタイミングをひと呼吸我慢してベースの近くで滑るのがミソ。怪我の危険性は高いがベース際のスピードが増すのだ。そして、なにより決定的な岡田の長所は、テレビ番組の好プレー集の常連であるほどの守備力。広い守備範囲と塀際の強さが生む美技は岡田のトレードマークである。 「一歩目とスタートを意識しています。ピッチャーの球種、球質、調子、バッターのタイミングの取り方と、その日の調子などを見ながら、打つ前には、もう動いているという感覚を持っています。データは見ません。感性です。それは練習の中から数多く打球を受けて磨きます。裏をかかれることもありますが、それでもグラブに収まってくれるような守備をしなければならないし、10回に一度の、その確率を減らしていかねばなりません。ゲーム展開によっては、『いける!』と確信したら勝負しにいきます」。