菅田将暉が、岸善幸監督&宮藤官九郎とタッグ!“移住”をテーマにした『サンセット・サンライズ』公開決定
『あゝ、荒野』(17)、『正欲』(23)の岸善幸監督と、テレビドラマ「新宿野戦病院」が放送中の脚本家、宮藤官九郎、そして菅田将暉がタッグを組み、楡周平の同名小説を映画化する『サンセット・サンライズ』が2025年1月に公開決定。このたび第1弾ビジュアルが解禁された。 【写真を見る】第81回ヴェネチア国際映画祭のアウト・オブ・コンペティション部門に正式出品された『Cloud クラウド』では黒沢清監督とタッグを組んだ菅田将暉 新型コロナウイルスのパンデミックで世界中がロックダウンに追い込まれた2020年。リモートワークを機に、東京の大企業で働く釣り好きの晋作は、海が近い三陸の町で気楽な“お試し移住”をスタート。仕事の合間に海へ通い釣り三昧の日々を過ごす晋作だったが、東京から来た“よそ者”に町の人たちは気が気でない。一癖も二癖もある地元民との距離感ゼロの交流に戸惑いながらも、持ち前のポジティブな性格と行動力でいつしか溶け込んでいく晋作だったが、その先にまさかの人生が待っていることに…。 岸監督とは『あゝ、荒野』以来7年ぶりのタッグとなる菅田が演じる晋作は、自分に正直に生き、エネルギーで人の心を動かし繋いでいくキャラクター。「岸監督と『あゝ、荒野』を撮り終わった後、次は笑える作品がいいよねと話していました」と明かし、初めてタッグを組む宮藤の脚本について「悲しみの先に笑顔を作ろうとする人たちの物語。岸さんの生活力と宮藤さんのセンス、お二人の想いが温かい願いとなってこの作品は生まれたんだと思います」とコメントしている。 このたび解禁された第1弾ビジュアルには、釣り好きの晋作がいままさに“なにか”を釣り上げたであろう瞬間が切り取られている。コロナ禍や過疎化、震災などの社会問題と向き合いながら、都会から移住したサラリーマンと南三陸で生きる住民との交流、人々の力強さや温かさをユーモアたっぷりに描く本作。さらなる続報に乞うご期待! ■<コメント> ●菅田将暉(晋作役) 「岸善幸監督と『あゝ、荒野』を撮り終わった後、次は笑える作品がいいよねと話していました。たくさん涙を流したからか自然と笑顔を求めていたように思います。そんななか、脚本に宮藤官九郎さんが加わると聞きました。上がってきた脚本は悲しみの先に笑顔を作ろうとする人たちの物語でした。岸さんの生活力と宮藤さんのセンス、お二人の想いが温かい願いとなってこの作品は生まれたんだと思います。たくさんの方に届き、少しでも笑顔になってもらえたら幸いです。ちなみに目標通り撮影現場は笑顔でいっぱいでした。僕自身たくさん笑い、ほんの少し泣きました。映画『サンセット・サンライズ』よろしくお願いします」 ●岸善幸(監督) 「宮藤さんに初めてお会いしたとき、原作の東北人キャラについて笑い合うことができ、この作品を宮藤さんの脚本でつくってみたいと思いました。自分にとっては初めてのコメディ作品ですが、宮藤さんならではの笑いを大切に演出することを心がけました。菅田さんとは7年ぶりの作品になりました。俳優としてどんどん新しい役に挑戦を続けていて、久しぶりに会った彼はとても大きな俳優になっていました。一つだけ、変わらないなあと思えたのは、役に向き合う姿勢です。晋作という人物の優しさや繊細さ、感情の振れ幅は見事で、現場ではただただ笑い転げていました。菅田さんの表現領域が広がっていくような瞬間があって、それを目の当たりにできたことが本当にうれしかったです。悲しみを癒すのに時間の流れというものがあるとしたら、もう一つ、悲しみを癒せるのは、人との出会いかもしれません。菅田さん演じる晋作を見ていてそう思えました。この映画を観る皆さんにもそれを感じてもらえたら幸せです」 ●宮藤官九郎(脚本) 「僕は宮城県出身なのに、そういえば自分の地元を正面から描いたことはまだなかったんです。子どもの頃は父親と南三陸で魚釣りをして遊んだりしてて、コロナ禍の趣味として、また釣りを始めていたこともあって、自分の好きな分野の話だし、舞台も方言も知っている土地と言葉だし、僕自身も地元に住んでテレワークで仕事できないかなと考えたことがあったので、他人事とは思えない物語でした。震災の話になると、僕は疎外感を味わうというか、なんかこうせつなくなるんですよね。ずっとモヤモヤしてたんだけど、それに対する答えを現時点で言葉にするならこういう感じかなとしっくりきたんです。それが僕の一番言いたかったことかなと思います。自分の書いた映画で、こんなに食べるものが出てくるのは初めてなんです。東北って本来は食がひとつの大きな売りなのに、正直いままでピンときていなかったんですよね。どんこ汁を美味い美味いと言って晋作が食べるのは、自分で書いていても新鮮だったし、菅田君が本当にうれしそうに食べているのが僕の映画じゃないみたいですごく好きです」 文/久保田 和馬