万博控え続々と開業するホテル、「調理師求ム」…普通科卒の高校生採用や繁忙期のスポット派遣で対応も
大阪ではホテルの開業が相次ぐ。7~9月に大阪ステーションホテル・オートグラフコレクションやフォーシーズンズホテル大阪、キャノピーbyヒルトン大阪梅田が開業。来春はウォルドーフ・アストリア大阪やホテル阪急グランレスパイア大阪が開業する予定だ。
少子化の影響で調理師のなり手は減少傾向にある。全国調理師養成施設協会(東京)によると、24年度に調理師を養成する専修学校と高校に入学した人は計約1万2500人と、10年で2割以上減った。
厚生労働省によると、23年度の有効求人倍率は全職種平均が1・29倍だったのに対し、職種別で「飲食物調理」は2・85倍だった。大阪市内のホテル担当者は「調理師を募集しても集まりにくい。業界で取り合いになっているのではないか」と語る。
営業に制限も
レストランの営業制限を余儀なくされたホテルもある。
京都市中京区の「ホテルオークラ京都」は、東山の夜景が望めるレストラン「オリゾンテ」の営業時間を変更した。
訪日客はコロナ禍前の水準に回復したが、従業員数は8割程度で、調理師や配膳スタッフが不足。昨年9月、夜間の営業を休止し、営業は朝と昼のみとした。今年11月、規定内でスタッフの残業時間を増やすなどし、集客が見込める土日と祝日に限って夜間の営業を再開した。
担当者は「コロナ禍で飲食業界の印象が悪化し、若い人材を集めにくくなっている」と明かす。
関西空港に近く、訪日客の利用が多い「ベルビューガーデンホテル関西空港」(大阪府泉佐野市)はコロナ禍で約3年間、休業した。昨年8月に再開したが、調理を補助するスタッフが足りず、レストランは週2日の定休日を設けた。客足が戻り、今年8月から定休日を1日にしている。
総支配人の正松本孝二さん(50)は「安定した需要が戻ってきている。人材を確保し、フル稼働に戻したい」と話す。