<センバツ>制球にわずかな狂い、隙を突かれた米子東の森下投手
◇第91回選抜高校野球 ○札幌大谷4-1米子東●(24日・甲子園) 制球にわずかな狂いが生じた隙(すき)を突かれた。米子東の森下祐樹(もりした・ゆうき)投手。同点とした直後の三回裏、先頭打者への四球をきっかけに3点を奪われた。 【今大会の全ホームランを写真特集で】 直前の攻撃では1死二、三塁で遊ゴロに倒れたものの同点打となり、気分良くマウンドに向かった。ところが、先頭の9番・中川には狙い通り投げられずに四球。2巡目に入った上位打線につかまり、3長短打を浴びた。「四球に自分の弱さの全てが出た。力不足」と悔いを残した。 もっとも、身上の粘り強さは示した。二回以外は得点圏に走者を背負ったが、「ピンチには慣れている」と落ち着いていた。昨秋の公式戦で1試合平均与四死球数2.11の制球力で打たせて取った。八回2死二塁では、一回に先頭打者本塁打を浴びた北本をツーシームで二飛に仕留めた。 夏の選手権大会で第1回(1915年)から地方大会出場を続ける全国15校の一つの米子東。その伝統校の23年ぶりの甲子園出場に「あの声援の中、マウンドに立てたのは人生の糧になる」。完投に胸を張ったが、悔しさも募り、涙がこぼれ落ちた。【藤田健志】