元日本王者の“美女ボクサー”鈴木なな子、名門ジムに移籍 「女子ボクシングをもっとメジャーに…」 立教大卒業後も「プロ一本」に絞った理由
井上尚弥も観戦
卒業したその年には日本王座を初防衛。その後、王座を返上した。 「やはりアジアや世界に挑戦したくて」 昨年は4年ぶりとなる敗戦を喫したものの、今年の3月には韓国で行われた試合で、元世界チャンピオンにTKO勝ちを収める。 「会心の試合でした」 観客席には、韓国を訪れていた井上尚弥の姿もあったという。 卒業後2年、今はジムでインストラクターのアルバイトをしながら、トレーニングに励み、次の対戦を待つ。 「ジムには月―金の週5で来て、2時間ほどトレーニング。ここには女子選手がいないので、男子選手とも拳を合わせます。週1度は自宅近くで5~6キロのラントレをして、もう1日はフィジカルのトレーニングをして、というスタイルです」
「美女ボクサー」と呼ばれて
先に述べたように、鈴木は「美人ボクサー」「美女ボクサー」と取り上げられることが少なくない。 「初めて“美人”と書かれたのは高校生の時でした。そういう見られ方するんだな、と。空手の時はそんな見られ方を気にすることはありませんでした。当時は“うーん”と思っていましたよ。書き方によってはめっちゃ色っぽい書き方されることもありましたから。“ん?”と思っていましたけど今は少し違う。もしそういう書き方、そういった見出しを付けてくれたら、一般の方が女子ボクシングに関心をもったり、試合を見てくださったりするかもしれない。であれば、その道を選びたいんです。それがきっかけで女子ボクシングの世界に興味と関心を持ってくれるのならそれでも良い。もしそういう風に見ていただけるのであれば、それがまた自分の売り、アピールポイントにもなりますからね。今はポジティブに捉えています」 それもこれも、冒頭で述べたように、日本の女子プロボクシングの世界に危機感を抱いているからだ。 「メキシコやアメリカでは、女子ボクシングが本当に盛り上がっているんです。男子の世界戦の前座に出たりもします。でも、日本の試合は選手の知り合いだけで埋まってしまうのが現状。日本ではまだ男女の格差はすごくあります。やっぱり女子は男子よりパワーもスピードもなく、KOの率も少ない。その分、地味に見えてしまう部分があるのは仕方ないです」 そのため、鈴木が意識していることがある。 「力強さももちろんですが、華やかさでも勝負していきたい。フィギュアスケートでも、男子と女子って魅力が違うじゃないですか。それと一緒で、ボクシングの女子は強さだけではなく、華やかさや綺麗さ、可愛さなども必要。ですから、試合の際は、衣装を可愛く、例えばトランクスじゃなくスカートにしたりとか、髪に編み込みをしたりなどの“付け足し”をしています」 一方で、 「やっぱり実力も上げていかなければ。自己分析をしていくと、やっぱりまだまだ私はアジアや世界を獲るには足らないところがあります。海外の選手と比べると、パワフルさとかアグレッシブさとかがまだまだ不足しています。そこはもっともっとコツコツ磨いていかないといけないと思います」