NetflixがタイソンVSジェイク・ポール戦生中継 24年からスポーツ配信進出の意図は?
プロボクシング元統一ヘビー級王者マイク・タイソン(58=米国)が15日(日本時間16日)、米テキサス州アーリントンのAT&Tスタジアムで、人気ユーチューバーでプロボクサーのジェイク・ポール(27=米国)とヘビー級2分8回(グローブは14オンス、公式戦扱い)で激突する。元ヘビー級王者で20年11月、元世界4階級制覇王者ロイ・ジョーンズJr.とのエキシビションマッチ以来、約4年ぶりのリングとタイソン。しかも公式戦扱いになるため、タイソンにとって引退試合となった05年6月のケビン・マクブライド(米国)戦以来、約19年ぶりの本格的な試合となる注目カードは、映画やドラマなどを中心に配信する大手Netflixが生中継する。 【写真】これぞ野獣タイソン流!強烈ビンタでジェイク・ポールに気合「話は終わった」 2億8000人以上の有料会員を抱えるNetflixは24年春からスポーツに本格参入を発表。このタイソンVSポール戦が事実上のスポーツ中継本格進出の舞台となる。1年以上前からポール陣営と接触し、タイソンもリング復帰に同意したことで実現した。両者合わせた賞金(ファイトマネー含む)は8000万ドル(約120億円)にのぼるとされる。2人が対戦に同意するのも納得できる金額だろう。 この注目カードを皮切りにNetflixは格闘技への進出を図ろうとしている。既に25年1月から米人気プロレス団体WWEの看板イベントとなるロウ大会の放送を開始することが決定済み。WWEとは50億ドル(約7500億円)で契約したと報じられている。また25年末にスポーツ局ESPNとの契約が終了する予定の米総合格闘技UFCとの契約も計画中。今回のボクシング生中継を皮切りに格闘技界の配信サービスに本腰を入れる見込みだ。 映画、ドラマ、アニメなどを中心に配信を続けてきたNetflixだが、他の配信サービスによるボクシングなど格闘技の生中継が好数字をマークしているデータに触発された。新たな有料会員を獲得する上でも重要なコンテンツだと認識。今回、スポーツイベントの生中継を始めて試みた。格闘技を中心としたスポーツ界への進出に踏み切ったとみられる。 22年頃から日本のボクシング界もテレビ地上波の生中継から配信サービスに移行。Amazonプライムビデオ、NTTドコモが運営するLeminoをはじめ、U-NEXT、ABEMAらがボクシングを中継している。また海外ボクシングを中心にWOWOWも配信に力を入れ、DAZNもボクシング中継を継続している。ここにNetflixが新たに参入することで、さらに日本国内のボクシング中継配信サービスも活性化されていくことになりそうだ。