iPhone“補聴”機能の狙い アップル幹部単独取材【WBS】
アップルは10月31日、今年7月から9月の決算を発表し、1年前と比べ6%の増収となりました。そのアップルが日本でサービスを始めたのが、ワイヤレスイヤホンを使った聴力チェックと聴力を補助する機能です。アップルは足元でこうした健康に関する技術に力を入れています。この部門を統括するアップルの幹部がテレビ東京の単独インタビューに応じ、その狙いを明かしました。 iPhoneのソフトウェアに新たに加わったのが、聴覚の健康に関する機能です。アップデートしたアプリによる追加機能で、AirPodsPro2と連携させて操作します。 「ヘルス分野は重点領域。ユーザーがすでに持っている製品を通して、サービスを提供したいと考えていた。AirPodsはすでに優れたリスニング機器だと認識されているが、ヘルス機器としても使えることを多くのユーザーに知ってほしい」(「アップル」ハードウエア製品開発責任者のジョン・ターナス氏)
AirPodsでどうやって聴力をチェックするのでしょう。操作は単純で、AirPodsから音が聞こえたらiPhoneの画面をタップするだけです。 「本当に健康診断の聴力検査と同じような感じです。低いところから高いところまで小さな音から大きい音までいろいろなバリエーションがありました」(田中瞳キャスター) 検査自体は5分ほど。検査に使われる音は小さいため、静かな環境が必要になります。 「結果を見てみます。右も左も難聴の可能性はほとんどないという結果が出ました。安心しました」(田中キャスター) 検査で難聴と判断された場合には、結果をもとにその人にとって聞き取りにくい周波数の音を大きくするように調整するなど、聴力についての補助機能が利用できます。補聴器の代わりのような役割を果たせるのです。こうした機能は、日本で管理医療機器としての承認も得ました。
アップルでヘルスケア部門を統括する幹部がテレビ東京の単独インタビューに応じ、こうした機能が狙う大きなターゲットを明かしました。 「世界中で10億人以上が軽度から中等度の難聴を抱えているとされている。難聴は幸せと生活の質に影響を与える可能性がある。それなのに難聴と診断された人の約75%は必要な治療を受けていないという。だからこそシンプルで使いやすい機器でニーズを満たすことができないかと考えた」(「アップル」ヘルスケア担当のサンブル・デサイ氏) ※ワールドビジネスサテライト