世界最大規模の小売りチェーン、ウォルマートは盤石か
日本と違って人口の増加が続くアメリカがマザーマーケットであることが、堅調な業績を下支えしている(写真:ブルームバーグ)
アメリカ市場に上場している注目銘柄を取り上げる連載企画「はじめての米国株」。今回は、アメリカを中心に店舗を展開する世界最大規模の小売りチェーンであるウォルマート(ティッカー:WMT)に着目したい。 アメリカではインフレの高止まりや景気減速が意識されているが、ウォルマートは売り上げの半分以上が食品や生活必需品であることから、相対的に安定した業績が期待できる。中長期では、アメリカの人口増加と経済成長が消費を押し上げる中で、通販(eコマース)の強化も図ることで小売業界内での存在感を維持するものと思われる。 同社は、1945年に開店した雑貨店が起源。複数の店舗を高密度で出店し、域内の市場占有率や流通効率を高めるドミナント戦略をとり、店舗網を拡大した。車社会のアメリカでは、十分な駐車スペースを確保できる郊外型の大規模店舗を出店する戦略も顧客からの支持を集めた。 店舗網は、ディスカウント店であるアメリカウォルマート部門の4717店、会員制の業務用販売店サムズ・クラブ600店、海外部門5318店まで拡大しており(2023年1月末時点)、アメリカの人口の9割が同社店舗から10マイル(約16キロメートル)以内に住んでいるとされる。
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