トランプ氏が習近平氏を大統領就任式に招待と米報道 首脳間関係を再構築か
【ワシントン=坂本一之】米CBSテレビ(電子版)は11日、トランプ次期米大統領が来年1月20日の就任式に中国の習近平国家主席を招待したと報じた。習氏が招待に応じるかは明らかでないとしている。トランプ氏は、米国の薬物問題や経済対策で中国に強硬姿勢を示す一方で、ロシアのウクライナ侵略を巡り協力を呼び掛けていて、首脳間関係を再構築する狙いがあるとみられる。 報道によると、トランプ氏側は11月5日の大統領選の直後、習氏を大統領就任式に招待した。 トランプ氏の政権移行チームは、他の外国首脳を招くことも視野に入れているという。 トランプ氏が南部フロリダ州の私邸で今月9日に会談したハンガリーのオルバン首相の名前も浮上している。トランプ氏は、強権的な政治姿勢で知られるオルバン氏との友好関係をアピールしてきた。 CBSテレビは、大統領就任式には通常、駐米大使らが招待されるが、国務省の資料で確認できる1874年以降、外国首脳が出席したことはないとしている。 トランプ氏は11月25日、米国に大量の薬物が流入する問題で中国が十分な対応をしていないとし、中国製品に10%の追加関税を課す方針を自身の交流サイト(SNS)で表明。米経済の再生を掲げた大統領選では、中国製品に60%の高関税を課す考えも示すなど、強硬姿勢で米国の国境や産業強化を図る方針だ。 対中貿易赤字を問題視するトランプ氏は2017年からの第1次政権で習氏と報復関税の応酬で貿易戦争を繰り広げた。 一方、ロシアによるウクライナ侵略を巡っては、12月8日のSNSでプーチン露大統領に停戦と和平交渉を呼び掛けるとともに「中国は助けることができる」と述べ、習氏に協力を求めた。 トランプ氏は就任式への招待で習氏との関係を再構築し、さまざまな課題における対中交渉を優位に進める狙いがあるとみられる。