阪神ドラ2今朝丸 新兵器「お化けフォーク」習得しちゃうぞ 200勝投手へ“火の玉”目標
阪神からドラフト2位指名を受けた報徳学園(兵庫)の今朝丸裕喜投手(18)が17日、大阪市内のホテルで入団交渉に臨み、契約金6000万円、年俸720万円(ともに推定)で仮契約を結んだ。1メートル87の長身から最速151キロの直球を投げ下ろす本格派右腕は、プロ入りへ向けた“新兵器”として、千賀滉大(メッツ)が操る「お化けフォーク」習得に意欲を示した。自慢の直球と組み合わせ、目標に掲げる200勝投手へと、ひた走る。 プロの門を叩くにあたって、“新兵器”を手札に加える。仮契約を終えた今朝丸は会見の席に座ると、「いよいよプロ野球の世界に入るんだな」と胸を躍らせた。熊野スカウトから阪神の帽子を受け取り、笑顔もこぼれた。阪神入団を心身両面で実感。同時に、脳裏では、その先を見据え、プロの世界を生き抜くための武器を磨く決意を固めていた。 「変化球で自信があるのはフォーク。フォークをしっかり、もっと精度を上げてやっていければ、打たれないんじゃないかと思っています」 すでにフォークは軸球の一つだが、プロ仕様へと改良を加える構え。その完成形もイメージできている。「理想は千賀投手のフォークです」。NPBで最多勝、最優秀防御率をともに1度、最多奪三振2度、勝率第1位1度と数々のタイトルを獲得し、今は活躍の場を米国に求めている千賀が武器とする「お化けフォーク」だ。右腕が操る伝家の宝刀のような、打者の目線から消える落差、切れを、まとわせる算段だ。 「身長は高いけど、細かい動きはできる方なので。精度を上げていけると思う」 “新兵器”を生かすためにも、投球の根本となる直球に磨きをかけることも忘れない。まずは現在「143~144キロくらい」という平均球速の向上を目標に掲げる。「MAXの球速よりも平均球速の方を上げたい。150キロ前半くらいで投げられたら」。その理想はスピン量が多く、打者の手元で浮き上がるような直球。改めてその“名”を口にした。 「目標にしているのは藤川監督の“火の玉ストレート”です」 将来性抜群の大型右腕。「お化けフォーク」と「火の玉ストレート」を手に、かねて豪語している目標へと突っ走る。「200勝できるような投手になりたい。そのためには一日でも早く、1軍に呼ばれるような選手にならないと」。近い将来、主力投手へと化けてみせる。(松本 航亮) ▽お化けフォーク 千賀滉大が決め球として使うフォークは落差が大きく、打者の視界から消えるように落ちるため、ソフトバンク時代に「お化けフォーク」の異名が付けられた。23年にメッツへ移籍後は現地メディアが「ゴーストフォーク」として紹介。メジャーのデビュー戦では、幽霊が食器のフォークを持ったイラストが刺しゅうされたグラブを使って自身の持ち味を印象づけた。 ◇今朝丸 裕喜(けさまる・ゆうき)2006年(平18)6月2日生まれ、神戸市出身の18歳。小学3年時に横屋川井少年野球部で野球を始め投手。中学では関メディベースボール学院でプレー。報徳学園では2年春から2年連続で選抜大会準優勝。3年夏の甲子園は初戦敗退。50メートル走6秒5、遠投100メートル。1メートル87、77キロ。右投げ右打ち。 ≪朝“よわ丸”≫ ○…名前に“朝”の字が入るものの、朝が苦手であることを明かした。来年から人生初の寮生活を迎えることとなる右腕。「朝が苦手なので…。普段はタイマーを何度も止めてしまうんです」と不安な胸中!?を吐露。ただ、対策はすでに考案済み。「タイマーをたくさん10個くらいは持って行こうかなと。設定するのは面倒くさいですけど(笑い)」。1年目から“目覚ましい”活躍を期す。