【#佐藤優のシン世界地図探索80】イスラエル・ヒズボラ戦争が「第三次世界大戦」になる危機
佐藤 空母打撃群はやってくると思います。 ――そこには米海兵隊の乗った強襲揚陸艦隊を付随しているはずです。米海兵隊の地上兵力を送って来ることは? 佐藤 そうなれば第三次世界大戦に発展しかねません。米国は相当慎重に判断するでしょう。 ――イスラエルは完璧に綱渡りではないですか。 佐藤 そう、危ないですよ。 ――ヤバいです。 佐藤 シリア、イラクの反イスラエル武装組織が兵員を送ってきた場合は、対応のしようがありません。 ――武装組織から大量の援軍が到着して、行くの、行かないのになる。その時、ヒズボラがケツをまくったとみられるのはダメ。すると、広域暴力団、ヤクザの掟から考えると、面子に関わりますから、来ますね。 佐藤 はい。そして、イスラエルの地上兵力が足りなれば、核兵器使用の危機になります。地上戦に移行するけど、核兵器と併用することになってしまいます。地上戦だけでは勝てませんから。 ――と、考察していた矢先、9月28日にはイスラエル空軍がベイルートのヒズボラ本部を空爆して、80発の爆弾を投下。地下にいたヒズボラ指導者、ハッサン・ナスララ師を殺害しました。こうなると、イランが出て来ませんか? 佐藤 それは本当に第三次世界大戦の始まりです。 ――となりますね。 佐藤 だから、日本の報道は緩くて、第三次世界大戦直前だっていうことが伝わっていません。あんなところで世界戦争となれば、石油が日本に入って来なくなります。 ――イランはペルシャ湾北部を全部、占めてますからね。 佐藤 そう、ペルシャ湾を石油が通らなくなります。 ――日本は寒い冬。さらにゴラン高原でイスラエルの核兵器が使われれば、核の冬も到来しますよね。 佐藤 そうですね。 次回へ続く。次回の配信は2024年10月25日(金)予定です。 取材・文/小峯隆生