法政大QB「去年の甲子園ボウルではビビってしまった」 憧れのコーチと3年目、“勝つQB”として集大成の舞台めざす
勝つためのクオーターバッキングを
泣いても笑っても今年がラスト。自分自身が納得できる準備をして、なんとしても結果につなげたい。 「去年の甲子園ボウルのビデオを見返していて感じるのは、ビビってプレーをしてしまっていたなと。自分たちがいつも通りのことができてない中で、関学はいつも通りにプレーを遂行できていて、その差を痛感した試合だったなということです」 いま取り組んでいることのすべては、ここに立脚している。相手に合わせるのではなく、自分たちのプレーを突き詰めたときに、そんな姿に近づくことができるのではないか。 「だからこそ、一戦必勝を掲げつつも、あくまで関西に勝つために関東でどんな試合をしていくべきかというのを大事にしていて、いつも全員に話しています」。当然だが、関西に対する意識は、過去の甲子園ボウル出場時よりも格段に強くなっているという。 最上級生になって、QBとしての心持ちにも変化がある。 「1年生の頃は、平井(将貴、23年卒)さんの交代で試合に出る感じだったので、自分は点数をとることだけに集中していました。ただ、今はエースなので、試合に勝つためのクオーターバッキングを大事にしないといけないです」 いかに試合をコントロールし、周囲にボールデリバリーして進めていくのか。「どうやって試合に勝つのか」ということは、以前よりも深く考えるようになったという。 ここから先の試合は、チャレンジャーとして、改めてこの1年間準備してきたものをすべてぶつける覚悟で挑む。「ファンの方たち、保護者、スタッフ、コーチの思いを背負って、残りの試合全てを勝っていきたいと思います」 法政の4番の表情が、昨年よりも引き締まって見えた。
北川直樹