法政大QB「去年の甲子園ボウルではビビってしまった」 憧れのコーチと3年目、“勝つQB”として集大成の舞台めざす
『アイシールド』にハマり小2で開始 当時から法政に憧れ
漫画『アイシールド21』にハマったことがきっかけで、小学2年生のときにNPO法人「フラッグフットボール・マネジメント・ジャパン」でフラッグフットボールをはじめた。ここでは、桜美林大学のエースQB近田力(4年、佼成学園)とチームメートで、一緒にQBをプレーしていた。「近田はちっちゃいときからうまかったので、僕がずっと教えてもらっていました」。谷口は当時の思い出を話す。 法政第二中学に入ると、法政のジュニアチーム「ジュニアトマホークス(現・川崎ORANGE)」に2年間所属し、3年時にNPO法人相模原ライズ・アスリート・クラブが運営する「川崎グリーンライズ相模原」に移籍してタッチフットをプレーした。ここで、中学の日本一も経験した。 「フラッグを始めた頃、法政が甲子園ボウルに出ているのを見ていて、近藤濯(あろう、15年卒、現・成蹊大学OC)さんのプレーを見ていました。そのときから法政がカッコいいな、いつかここでプレーしたいなって思っていました」 法政トマホークス(2017年からORANGEに変更)のQBの中でも、谷口にとっての一番のアイドルは菅原俊(08年卒、現・法政大QBコーチ)さんだという。「菅原さんのプレーをずっと見ていて、“勝つQB”のオーラ、堂々としたプレースタイルがカッコよかったですね」。3年前に菅原さんが法政のコーチに就任すると聞いた時は「とにかくうれしすぎて。最初Zoomで話したんですが『ホンモノだ!』って思いながら話していました」。当時の気持ちを谷口が振り返る。
菅原俊コーチと3年目 コンビの集大成をめざす
菅原コーチとのQBユニットも3年目。「知識の量は追いつけそうにないし、経験の面でも日本のQBで右に出る人はいないと思っています」。谷口は菅原コーチに対する全幅の信頼を口にする。 「どんなに負けていても、菅原さんが出てくると、何か起こしてくれるんじゃないかとワクワクしました。実際に、試合をひっくり返すのもたくさん見てきました。僕も菅原さんのように、法政の4番がフィールドに立ってるだけで相手に『嫌だな』と思われるような象徴になりたいです」 QBの目標像としても、菅原コーチは特別だ。幼かった頃、自分が菅原さんを見てきたように、そんな姿を子どもたちに見せていきたいと谷口は言う。 菅原コーチは谷口についてこう評価している。 「タケを一言で言うと『フットボール大好き少年』ですね。心底楽しみながらプレーしていますし、フィールドの外でも様々な映像を見て自分のものにしようと努力しています。QBとしては、ファンダメンタルがしっかりしてるので、リード、スロー、ドロップバックなど全てがとても高いレベルにあります。特に投げるスキルは遠投、クイック、制球などがどれも優れていて、Xリーグでもすぐに試合に出られるレベルだと思います」 この先のステージで、谷口に期待したいことを聞いた。 「出会った時から口うるさく言ってるのは、“勝つQBになること”です。あらゆるシチュエーションで勝ちを決める選択ができているのか、他の10人を生かすプレーを考えられているのかをずっと対話してきまいした。それができるようになってきたので、大舞台で体現してほしいです」 今シーズンは周囲の頑張りや協力を受けて、この能力が集大成に近づいてきた。あとは結果を出すだけ。菅原コーチの言葉からは、谷口に対する強い信頼と期待が伝わってくる。