「過熱する中学受験を回避したい」あえて小学校受験を選んだ親の本音
首都圏の中学受験者数は、9年連続で増加。(首都圏模試センター調べ)まさにブームとも言える「過熱ぶり」は、子育て世代にとって大きな話題となっています。 小学校受験で長男合格、次男不合格…その後にわかった「公立小でよかった3つのこと」 そんな中、あえて小学校受験を選択する家庭も増えてきています。 2023年度、首都圏の私立小学校入学の応募者数は、過去5年で最多の2万3033人。コロナ禍の3年で、20%近く増加しています。(参考:ダイヤモンド・オンライン) 実は私も、息子2人に小学校受験を選んだ親のひとり。私も夫も中学受験の経験者ですが、息子たちにはあえて小学校受験を選びました。 「なぜ中学受験ではなく、小学校受験を選んだのか?」 そこで今回は、わが家と同じように、子どもに小学校受験を選んだ親に、「中学受験ではなく、小学校受験を選んだ理由について」アンケート調査をしてみました。
なぜ中学受験ではなく、小学校受験を選んだのか?
①早くから、環境を整えたかった 〈アンケートに寄せられたコメント〉 「人生の土台作りは、小学生からだと思った」 「人格形成において大切と考えている児童期を、自分に合う環境で過ごして欲しい」 「小学生の6年間を過ごす環境を、より良いものにしたい」という意見が多くありました。子どもの性格や個性を考えて、「子どもの良いところをのびのびと伸ばせる環境を求めた結果、小学校受験を選択した」という方も多かったです。 ②公立小学校を避けたかった 「学区の公立小学校に、メリットを見出せなかった」 「学級崩壊、いじめ、保護者の足並みが揃わない……など不安が大きかった」 近くの公立小学校に不安をおぼえ、避けるようにして、小学校受験を選んだ方もいます。公立小学校は、住んでいる地域によって環境が全く違うので、入学前に情報収集しておくことが大切だと思いました。
③中学受験を回避したかった 〈アンケートに寄せられたコメント〉 「過熱しすぎる中学受験が怖くて、逃げるように小学校受験を選んだ」 「自分が中学受験をして、ものすごく大変な思いをしたから」 「中学受験だと、思春期にも突入しているであろう年齢。親子二人三脚での受験は難しいと、先手を打った」 「共働きのため、中学受験の時期に十分なサポート(親の伴走)ができるか不安だった」 中学受験ではなく小学校受験を選んだ理由として、最も多かったのが、「中学受験を避けるため」でした。「ニュースや噂を聞いて、なんだか大変そうだから」という意見の他に、親自身の中学受験の経験から、「子どもには中学受験をさせたくない」と感じる親も多くいました。 ④中学受験は、子どもの負担が大きい また、こんな意見もありました。 「勉強時間や期間を考えると、中学受験よりも、小学校受験のほうが子どもの負担になりにくいと感じた」 「小学生の間は、好きなことに没頭したり、家族と過ごす時間を大切にしたい」 中学受験は、一般的に小学3~4年生に始めるケースが多く、約2~3年程度の準備期間が必要だと言われています。それに比べ、小学校受験の準備期間は、約1~2年程度。対策内容も、中学受験に比べると、勉強要素は多くありません。毎日の勉強時間も、小学校受験の方が、圧倒的に少ないでしょう。 子どもの負担が大きくなってしまうであろう、中学受験。「できるだけ避けたい」と思い、小学校受験を選ぶ人が増えるのも、無理はないのかもしれません。