A24スタジオ最大のオープニング記録を樹立した『シビル・ウォー アメリカ最後の日』 の監督、アレックス・ガーランドにインタビュー
映画を編集することと小説を書くことは同じ作業
──では、一番テンションが上がる瞬間は? 編集している時です。小説家をやっていたからかもしれませんが、映画を編集することと小説を書くことは同じ作業だと思っています。映画を作ったことのない人からしたら、撮影現場が映画作りであるというイメージがあるかもしれませんが、撮影現場は生素材を獲得する場所であって、本当の映画作りは編集室で行われます。 ──監督が、最近映画作り以外で興味があることは何ですか? つまらない答えではありますが、自分の子どもに一番夢中です(笑)。あと、昔から旅をすることに興味があります。17歳で初めてバックパッカーとしてインドのカシミール州のラダックに行きました。それ以来、可能な限りずっと旅をしてきました。54歳になった今でもハイキングも含めてよく旅に行きます。映画監督には、映画についての映画を作る監督と人生や体験についての映画を作る監督というふたつのタイプがいます。僕は映画を見るのは大好きですが、前者のタイプの映画監督には興味がありません。人生経験として旅をすることを大事にしていて、旅をすると否応なく新しい体験が降ってきます。イギリスの作家のイアン・マキューアンが「書くためには生きろ」と言ったんですが、僕も本当にそう思います。
『シビル・ウォー アメリカ最後の日』
脚本・監督/アレックス・ガーランド 出演/キルステン・ダンスト、ワグネル・モウラ、ケイリー・スピーニー、スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソンほか 10月4日(金)より、TOHO シネマズ 日比谷ほか全国公開 https://happinet-phantom.com/a24/civilwar
文:小松香里
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