「ファンはイライラ」とマキロイが苦言も PGAツアーとリブゴルフ、統合交渉は遅々として進まず
ファンや関係者を苛立たせている懸案事項
PGAツアーは3試合にわたるプレーオフ・シリーズがすべて終了。最終戦のツアー選手権を制して今季7勝目を挙げたスコッティ・シェフラーが自身初の年間王者に輝き、破格のボーナス2500万ドル(約36億円)を獲得した。 【写真】「日本にはミスター・トダがいる」米国の王者たちを驚嘆させた90年前の「日本人ゴルファー」とは
プレーオフ第2戦までに、2922万8357ドル(約42億円)の賞金を稼いでいたシェフラー。年間王者のボーナス約36億円とレギュラーシーズン終了時に獲得したボーナス800万ドル(約12億円)を加えると、今季だけで約90億円を懐に入れたことになる。 そんなシェフラーが年間王者に輝き、今季のPGAツアーのフェデックスカップは最高の形で締め括られたと言っていい。 だが、その一方で、ここ数年の懸案事項は、締め括られるどころか、前進も進展も見られず、ファンや関係者を苛立たせている。
PIF以外と手を組んだPGAツアー
「ここ数年の懸案事項」とは、リブゴルフを支援するサウジアラビアの政府系ファンド「PIF(パブリック・インベストメント・ファンド)」とのパートナーシップ等々に関する交渉のことだ。 リブゴルフが2022年に始動して以来、PGAツアーとの間に確執が生まれた。PGAツアーのスター選手が次々にリブゴルフへ移籍したことで、両者の対立はみるみるうちに激化していった。 しかし2023年6月、PGAツアーのジェイ・モナハン会長とPIFのヤセル・ルマイヤン会長が統合合意を発表。「和解か?」と、世界を驚かせた。 だが、その統合合意は両会長が一方的に決めたもので、PGAツアーの選手たちは「僕らは何も聞いていない」と激怒した。その後は選手理事らが中心となって、PIFとの交渉を進めることになり、タイガー・ウッズがキャリアで初めて選手理事に就任。ローリー・マキロイが入れ替わるように選手理事を辞任し、ジョーダン・スピースが後任理事になるなど、選手サイドの体制は目まぐるしく変化した。 そして今年1月。PGAツアーはPIFではなく、米コンソーシアムの「SSG(ストラテジック・スポーツ・グループ)」とパートナーシップを結び、PGAツアーとSSGが最大30億ドルの投資を得て、営利法人「PGAツアー・エンタープライズ」を創設することが決まった。