【阪神】藤川監督 新たな座右の銘は「球進一歩」…村山実さん、岡田前監督から〝継承〟したもの
阪神・藤川球児監督(44)が新春インタビューに応じ、就任1年目となる今シーズンへの抱負を語るとともに、新たな座右の銘として「球進一歩」の四文字を掲げた。2代目ミスタータイガースの故・村山実さんと岡田彰布前監督(現オーナー付顧問)の2人が色紙にしたためていた「球道一筋」「道一筋」から着想を得たという言葉で、虎の正統な歴史を受け継ぐ覚悟を内外に示した格好だ。 【写真】藤川監督が色紙にしたためた新しい座右の銘 【阪神・藤川監督 新春インタビュー(前編)】 ――選手と対話をする機会が多い。風通しの良さは意識している 藤川監督 今はまだ港にいる状況ですから。シーズンが始まってしまえば、みんな出てしまうので会話することもなくなると思う。そのため今は、コミュニケーションだなと思っています。みんな、出航しますから。ばっと。 ――就任会見時に「結果が出なくてたたかれたりするようなことがあったとしても、気にしない」と語っていた。現役時代からマインドは変わらない 藤川監督 独立リーグ(高知)にいた頃からですかね。自分で人生を決断するっていうことを分かった時に「人は関係ないよな。どうせ一過性のものだな」と。 ――座右の銘は今も「弱気は最大の敵」か 藤川監督 座右の銘は新しく考えました。正月用にと思って(笑い)。岡田監督が「球道一筋」で、あれは村山実さんからの言葉だったんで。岡田監督はそこから一つ抜いて「道一筋」にした。2回優勝して「球道一筋」に戻されましたね。自分は入団会見の時に「村山実さんみたいな投手になりたい」と言って、岡田監督に育てていただいた。僕は「球道一筋」から二つ抜いて「球道」の「道」を「進」に変えて「一筋」の「筋」を「歩く」に変えて、「球進一歩」っていうのにしました。今年のチケットにも多分、その言葉が入ると思います。 ――球進一歩 藤川監督 道を進む、一歩ずつ、という意味で。1個勝てば(優勝すれば)1文字戻そうかなと思いますけど。岡田監督がやったように。どっちにしようかな(笑い)。岡田監督は最後に「球」がついた。僕は本名が球児なんで「あっ、これだったら譲ってもらえる」と思って、二つ外して。また「道」と「筋」を戻せたらいいなと思うんですけどね。 ――例えば1回優勝したら「球進一筋」になったりするイメージ 藤川監督 そういうふうに思っていたいですね。三つ四つ勝てれば、また新しくなるかもしれないですけど。僕もタイガースの村山実さんに憧れて入団してという意味では、流れの一つなのかなと。 ――自身の人生で一番大きかった「一歩」は 藤川監督 独立リーグに行った時。あれが一番ですね。欲を捨てるというね。それが一番自分にとって良かった。今回グラウンドに戻ってきて、次第にシーズンが近づいてきたら欲を持っているプレーヤーがたくさんいるので、それをよく理解して進んであげないと。「自分は欲がないから」といって、人はそうじゃないので。そこはうまく取り入れながら「ああ、彼はこうだね。じゃあここにポンと一つ用意しよう」という考えが必要だなと。 ――当時の監督にとっての「欲」とは 藤川監督 人からの承認欲求を捨てることですね。いらないです。 ――それで変わった 藤川監督 それは全然変わります。全部楽しいです。僕たちは勝負の世界にいるので、欲求が強いんですね。そこに満たされないで。そういう意味では、僕がそうでないことが実は重要かなと。道を譲るというね。アメリカだったら、マイナーからコーチ経験積んだ人がマネジャーになる。一流選手っていうのは必ずしも自分より上に行かれたくない人が多いけど、アメリカはそうではなくて、下から積み上げてきた人が一流選手の素晴らしさを理解した上で、どんどん進んでいく道を切り開いてあげている。日本では、監督イコールそういう欲がすごい強い、みたいに見えてるところがあるので。そうじゃないよね。プレーヤーがやるんだから。
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