フィギュア新採点基準は五輪3連覇狙う羽生結弦、宇野昌磨の追い風になる?!「4回転ループ得意選手が有利に」
その選手がルッツ系なのか、フリップ系なのかの”仕分け”は、「正確なエッジで踏み切れるかどうかになります。ルッツ系なのかフリップ系なのかは、ショートのプログラムのジャンプの構成を見れば、だいたい分かります。」(中庭氏)とのこと。そのSPの構成からフリップ系と判断していい選手の代表が、エフゲニア・メドベージェワ(20、ロシア)、坂本花織(20、シスメックス)、本田真凛(18、JAL)らで、昨シーズンの四大陸選手権を制した紀平梨花(17、関大KFSC)もルッツをプログラムに積極的には取り入れていなかった。 中庭氏は、「紀平選手に関しては、故障の影響があり負担を軽減するための措置だったのでしょう。トリプルアクセルを武器とする紀平さんは、少しですが、ルッツとの差が開いたわけですからプラスになると思います」と、紀平への追い風となる可能性を示唆した。 ただ昨シーズン4回転旋風を巻き起こして主要大会の表彰台を独占したアリョーナ・コストルナヤ(16)、アンナ・シェルバコワ(16)、アレクサンドラ・トルソワ(15)の”ロシア3人娘”に関しては、「今回の新採点基準の影響は何も受けないでしょう」と中庭氏は言う。 「新型コロナウイルスの影響で新シーズンのプログラム作りはストップしていますが、この新基準をもとにプログラム構成は変わっていくと見られます。男子ではルッツの需要は下がり、ループに挑戦する選手が増えるのかもしれません。北京五輪に向けての重要なプレシーズンですから、そこを念頭に置いて、いろんなテストを試みるのではないでしょうか」 新採点基準は2020-2021年シーズンのスタートから採用される予定で、グランプリシリーズは、10月23日のスケートアメリカで開幕。新型コロナウイルスの影響もあり開催の可否は、8月1日までに決定されるが、新採点基準はフィギュア界の流れを大きく変える可能性がありそうだ。