【時系列でわかる⑩】イスラエル軍「地上作戦をガザ地区全域に拡大」戦闘激化(25日~12月3日まで)
■12月1日 ガザ地区戦闘再開後“184人死亡”保健当局が発表 南部複数地域ではビラ投下、住民に避難呼びかけ
イスラエル軍は1日、パレスチナ自治区ガザ地区への軍事作戦を再開し、ガザ地区の保健当局は184人が死亡したとしています。 イスラエル軍は1日、ガザ地区への空爆などを再開しました。軍はこれまでに200以上のハマス側の拠点などを攻撃したとしていて、ガザ地区の保健当局は、戦闘再開後に184人が死亡したと発表しています。 また、ロイター通信によりますと、南部のハンユニスでは複数の地域でビラが投下され、住民にさらに南部のラファへ避難するよう警告する文章が書かれていたということです。 ただイスラエルの外交筋は地元メディアに対し、「もしハマス側が人質を解放すれば戦闘は一時休止される」とも述べています。 アメリカのブリンケン国務長官は戦闘休止の終了はハマスがテロ攻撃を行うなどして「約束を反故にしたせいだ」と非難しています。 一方、ハマスの報道官はAP通信の取材に対し、「今回の失敗はイスラエル側とアメリカ側のせいだ」と述べ、反発しています。 交渉の仲介役を務めるカタール政府は戦闘休止に向けた努力を続けているとした上で、「ガザへの継続的な砲撃は調停努力を複雑にし、人道被害を大きくさせている」と指摘しています。
■12月2日 イスラエル軍、400以上のハマス側の拠点を攻撃か 再度の戦闘休止交渉は中止
パレスチナ自治区ガザ地区への軍事作戦を再開したイスラエル軍は2日、400以上のハマス側の拠点を攻撃したと明らかにしました。再度の戦闘休止に向けたハマス側との交渉も行き詰まり、中止したとしています。 イスラエル軍は2日、ガザ地区で再開した地上作戦と空爆とみられる新たな映像を公開しました。国連機関のロゴが描かれた段ボールの下に、大量の武器が隠されていたとする映像も公開しています。 軍事作戦の再開後に400以上のハマス側の拠点を攻撃したとしていて、多くの避難民がいる南部の主要都市ハンユニスでも大規模な空爆を行いました。 このハンユニスでは住民に対して、さらに南部のラファへ避難するよう警告するビラも投下されました。 ロイター通信によりますと、ガザ地区の保健当局は軍事作戦の再開後、193人が死亡したと発表しています。 再度の戦闘休止へ向けた関係国の働きかけも続いてきましたが、イスラエルのネタニヤフ首相は2日、仲介役のカタールに派遣していた情報機関モサドのチームに対し、交渉を中止し、撤収するよう命じました。 首相府は声明で「交渉は行き詰まった」「ハマスは合意の義務を果たさなかった」としています。