【時系列でわかる⑩】イスラエル軍「地上作戦をガザ地区全域に拡大」戦闘激化(25日~12月3日まで)
■12月1日 戦闘休止の期限迫る…3回目延長に向け交渉続く
イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘休止の期限が1日午後に迫る中、3回目の延長に向けた交渉が続いています。 1日、ハマスが公開した映像では、人質のミア・シェムさんが解放前の車内で「彼らは親切だった」と話し、赤十字側に引き渡される様子が映っています。ハマスは今年10月、シェムさんが治療を受ける映像やメッセージを公開していて、人質をプロパガンダに使っていると批判が上がっていました。解放後、シェムさんは家族と再会を果たしました。 イスラエルメディアによりますと、戦闘休止7日目となった先月30日には8人のイスラエル人が解放されたということです。 こうした中、アメリカのブリンケン国務長官は先月30日、ネタニヤフ首相らと会談し、軍事作戦の再開前に民間人を保護する計画をつくるよう求めていて、イスラエル側も同意したということです。 戦闘休止の期限は日本時間1日午後2時ですが、ロイター通信によりますと、仲介役のカタールなどは、さらに2日間の延長で調整していて、3回目の延長に双方が合意できるかが焦点です。
■12月1日 イスラエル軍、戦闘再開を発表 「ハマスが合意に違反した」と主張
イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘休止期間は、日本時間の午後2時に期限が切れましたが、イスラエル軍は先ほど、戦闘を再開したと発表しました。ハマスが合意に違反したと主張しています。 ロイター通信などによりますと、イスラエル軍は1日、ガザ地区でハマスとの戦闘を再開したと発表しました。 イスラエル側は、ハマスが合意に違反してイスラエルにロケット弾を発射した上、1日に解放予定の人質リストを提供しなかったと主張しています。 7日間続いた戦闘休止は日本時間1日午後2時に期限が切れていました。期限を迎える直前、イスラエル軍は、ガザ地区から発射されたロケット弾1発を迎撃していて、またガザ地区北部で爆発と銃撃があったとも伝えられています。
■12月1日 戦闘再開…ガザ地区で空爆、32人死亡 双方が「合意違反」と批判
戦闘を再開したイスラエル軍は、日本時間の1日午後2時過ぎから、パレスチナ自治区ガザ地区などを空爆しました。ガザ地区の保健当局は、32人が死亡したとしています。後閑駿一記者がイスラエルから中継。 ◇ 奥に見えているフェンスの先が、ガザ地区です。時折、黒煙が上がる様子が確認できるほか、戦闘の一時休止期間中には聞こえなかった爆発音などが数分おきにとどろいていて、緊迫感が漂っています。 ただ、戦闘休止前にこちらに来た時ほどの頻度ではなく、イスラエル軍が南部の住民に対して、エジプトとの国境近くまで退避するよう呼びかけるなど、空爆の主な標的は、北部ではなく南部へと移っているとみられます。 戦闘の一時休止期間が終了する直前に、ガザ地区からイスラエル国内に向けてロケット弾が発射され、着弾はなかったものの、イスラエル軍は、「ハマス側が一時休止に違反した」として、ガザ地区での空爆などを再開しました。 ガザ地区の保健当局は、南部などで空爆があり、32人が死亡したと発表しています。 また、ハマス側は、「イスラエル側が北部への燃料の搬入を許可せず、合意に違反した」と主張しています。 一方、現地メディアは、「戦闘休止のための交渉は依然として続いている」と報じていて、カタールなどの仲介役を通じた外交努力も引き続き行われているものとみられます。