バイナンスラボ、ZK Stack採用の「Sophon」にトークンラウンドで出資
バイナンスラボがソフォンに出資
バイナンスラボ(Binance Labs)が、ZKスタック(ZK Stack)を使用して構築されたレイヤー2ネットワークである「ソフォン(Sophon)」のトークンラウンドに出資したことを10月3日に発表した。なお出資額は非公開だ。 バイナンスラボは、大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)のベンチャーキャピタルおよびインキュベーション部門だ。 「ソフォン」は、ZKスタック技術を活用したモジュール型ロールアップとして構築されたエンターテインメントに特化したエコシステムだ。ZKスタックを活用したZKチェーンとして、AIやゲームのような高スループットアプリケーション向けに設計されている。これにより既存のL2ブロックチェーンが提供する分散型金融(DeFi)や流動性のハブとしてではなく、プラットフォームと製品に重点を置く小売業と親和性の高いブロックチェーンになるとのことだ。 バイナンスラボによると「ソフォン」は、今回の資金調達で調達した資金をエコシステムの成長加速、トップ人材の誘致、エンターテインメント、創造性、コミュニティ、テクノロジーをシームレスにつなぐ革新的なプロジェクトの開発支援に活用するという。 バイナンスラボの投資ディレクターであるアンディー・チャン(Andy Chang)氏は、「バイナンスラボは、Web3の限界を押し広げ、エコシステムの成長を促進する初期段階のプロジェクトを支援することに専念しています。『ソフォン』の強力な業界パートナーシップと早期の成功は、エンターテインメント、ゲーム、AI分野での革命的な可能性を示しています」と述べている。 また「ソフォン」のCEOであるセブ(Seb)氏は、「バイナンスラボが私たちのミッションに参加してくれることを大変嬉しく思います。私たちは、インターネット上の次世代エンターテインメントを支えるために、ユーザーにとって技術をシンプルかつアクセスしやすくし、開発者がこれまで以上にアプリケーションを加速できるツールを提供することを目指しています」と述べている。 ZKスタックとは、ZKシンク(zkSync)の開発元であるマターラボ(Matter Labs)が発表したブロックチェーン開発用モジュール型のオープンソースフレームワークだ。このフレームワークを利用すれば、比較的容易にZKシンクの技術をもとに「ZKロールアップ(zkRollup)」を採用する独自のブロックチェーンを作成することが可能になる。 またZKシンクは「zkEVM」に分類される技術を採用したイーサリアムのレイヤー2ネットワークで、ゼロ知識証明(zero-knowledge proof:zkp)を活用したロールアップ技術「ZKロールアップ」を採用し、EVM(イーサリアムバーチャルマシン)に互換性を持っているL2ブロックチェーンである。
田村聖次(幻冬舎 あたらしい経済)