鯨類飼育の変遷⑧ 飼育世界記録を2年更新 くじら日記
白水氏は、「この広さであればゴンタは自由に泳げるし、必要であれば取り上げて診療することもできる。さらに他の鯨類との関わりが飼育の質を良くし、病気の予防にもなる」と当時の考えを説明しました。オープン当初の教訓が活かされ、ゴンタはくじらの博物館で1995(平成7)年12月16日まで暮らし、飼育世界最長記録を約2年更新することにいたりました。
くじらの博物館には、同年に撮影されたゴンタがクジラショーでジャンプする写真があります。体長4・7メートルを超え、頭部は角張り、「巨頭」(ゴンドウ)の名に恥じない貫禄ある姿がわかります。
白水氏はそれをじっと見て「いい写真だ」と噛み締めるように言い、続けて「コビレゴンドウの飼育を通して、自分たちは技術を磨くことができた」と目を細めました。
(太地町立くじらの博物館館長 稲森大樹)