レイFBI長官、バイデン政権退陣のタイミングで辞任-任期満了前に
(ブルームバーグ): 米連邦捜査局(FBI)のレイ長官は11日、トランプ次期大統領の就任前に辞任すると発表した。在任期間は歴史的かつ波乱に満ちたものだったが、任期満了前に職を退く。
レイ長官は職員に向けた演説で、来月にバイデン政権が退陣するタイミングで辞任する方針だと述べた。10年間の任期が2027年まで残っているレイ氏について、来年1月20日に就任するトランプ氏は留任させない意向を明確にしている。
FBI職員に対しレイ長官は、退任が「FBIをさらに深い争いに巻き込むことを回避する最善の方法」だと語った。
トランプ氏は11月30日、FBI長官に元国防総省高官のカシュ・パテル氏を起用すると自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に投稿した。パテル氏はFBI改革を約束し、ワシントンにあるFBI本部を閉鎖するとまで発言しているトランプ氏の忠実な支持者。
トランプ氏は17年6月にレイ氏をFBI長官に指名した。だがトランプ氏と同氏の側近はその後レイ氏に敵意を示し、自分たちが承認していない措置をFBIが実施したことや、自分たちが望んだ措置をFBIが実施しなかったことについて、同氏を繰り返し非難した。
トランプ氏は11日にトゥルース・ソーシャルに「われわれは今後、全ての米国民に法の支配を回復する」と投稿。「FBIを取り戻したい。それはこれから実現するだろう」と書き込んだ。
22年にFBI捜査官が裁判所の許可を得てフロリダ州のトランプ氏邸宅を捜索し、機密文書を押収した際にレイ氏は保守派から激しい批判を浴びた。またFBIは、20年大統領選結果を覆そうとしたとされるトランプ氏の取り組みを巡りスミス特別検察官の捜査にも加わった。このほか、21年1月6日に連邦議会議事堂を襲撃したトランプ氏支持者を捜査した。
原題:FBI Director Christopher Wray to Resign at End of Biden Term (2)(抜粋)
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Chris Strohm