“日本一の職人”が最後の挑戦「技能五輪全国大会」史上初の4連覇 同期3人で切磋琢磨し念願かなう【山形発】
3人全員入賞の念願叶い“涙”
今回、天童木工として初となる出場した3人全員入賞という大きな快挙を成し遂げた。 石橋さんの金賞に加え、大滝陽平さん(23)が銅賞、庄司将史さん(22)が敢闘賞を受賞。3人は同じ入社5年目の同期で、今回念願の3人揃っての入賞がかなった。 石橋葵さん: 初めてだったので、1人で取るよりうれしかった。 大滝陽平さん: 盛り上がって感極まっていた。涙が出るくらいうれしかった。 庄司将史さん: それ俺な。 石橋葵さん: 実際、庄司泣いてたもんな。
「出会えてよかった」3人で切磋琢磨
庄司さんは2人と一緒に頑張りたいと、2024年から部署を異動した。 仲間であり、ライバルでもある3人で並び、休みの日も集まって、時には石橋さんが2人にアドバイスしながら技術を磨いてきた。 石橋さんが製作したキャビネットに対し、庄司さんは「引き出しを入れた時の、最初はスーッと入るが途中から同じ力を掛けているのにゆっくり入っていくのが本当にすごいなと。それをしようと思ってもやっぱりできないので、すごい」と絶賛する。 このような引き出しの動きにするには、全体のバランスを見ながら後ろは入りやすいよう少し大きめに削って前の方は少しきつめに作る必要があり、かんなを1回掛けるだけで変わってしまうため、微調整をしながら何回も確認して最後に仕上げるという。 石橋さんは同期2人について「一緒に頑張れるというのはすごく大きい。同期として競い合うこともできたので、その分いままでより自分にもすごく厳しくなれた」と話す。 また、大滝さんや庄司さんも「切磋琢磨(せっさたくま)して頑張ってきたのがやっと実った」「同期だからこそ相談しやすい・話しやすいので、この同期3人でこの会社で出会えてよかった」と話し、3人は刺激し合えるいい関係を築いている。
次なる挑戦は「技能グランプリ」
ことし23歳の3人は今回が最後の技能五輪。 2023年に3連覇したあと、石橋さんは「技能五輪」にもう一度挑戦するか引退するか悩んだという。そこで「一緒に頑張ろう」と背中を押してくれたのが同期2人だった。 石橋さんは今後、選ばれたベテランの職人しか参加できない「技能グランプリ」に挑戦したいと意気込む。 「挑戦する楽しさ、みんなに楽しさを知ってもらいたい。職人として、人に笑顔になってもらえるような家具を作れるようになりたい」と話す石橋さんは、後輩に経験を伝えながら、これからも挑戦を続ける。 (さくらんぼテレビ)
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