大阪市・松井市長2020年度予算案発表会見全文(5)「僕自身の公約は実現した」
粗い試算、直前になって変える意図は?
━━先ほどの粗い試算の算定方法を変えるという件ですけれども、せっかく大阪市がここまで厳しくやってきたものを都構想移行するかもしれない直前になって変えるという意図についてうかがいたいんですが、つまりそれによって、たぶん財政は見かけ上豊かになって特別区がやっていけるという試算が変わるんだと思うんですね。ただここ10年間の国と地方の財政を見ていれば、一貫して地方に厳しい方向に動いてますね、まさに今日冒頭で市長がおっしゃったように入るべき税収が税制改革で入らないという方向に動いている中で、厳しめに見積もってもやっていけるという風に試算を出すのが筋だと思いますけれども。ここであえてゆるい方に変えるという意図はどういうことなんですかね。 松井:あのね、まずね特別区がやっていけるというのは15年の試算でもやっていけたわけですよ。その15年よりも今よくなってきてるんで、それを基に大阪市の厳しめのやり方でやっても特別区はやっていけるというシミュレーションは出せます、法定協で。ただ、いま言うように、オークと阿倍野再開発事業のリスク前倒しで返すけどね、今回これを返すけど、計画通りでもいいわけですよ。何が言いたいかいうたら、今回は余力があるんでこれをやるけども、今やらなければこの財源を使っていろんなサービス、例えば、子どもたちの環境、まあこれは今年やらないけど来年に向けて色々考えるけど給食とか、子どものできにくい人の医療、不妊治療への支援とかそういうことできるでしょ。だから、まあ知事になって任期4年の中でね、色々考える中で、もちろん財政運営については収入の範囲で予算を組むというのは我々の一番の財政運営の基本姿勢だと。ただ収入の範囲をあまりにも前倒しで借金すると厳しすぎるじゃないのと。そういうところも考えてバランスとろうと、こう思っています。 ━━市長として住民サービスを充実したいのでという意図はわかるんですが、それならば万が一都構想が否決されて来年以降も大阪市が存続する時に変えればいいんじゃないんですか。いま変えるというのは将来にわたって、見通しを甘くするという風にしか受け取れないんですけど。 松井:だってね、来年の予算編成に向けて色々考えていくんですよ。僕自身も。今年予算編成やってね、来年、再来年。だから僕自身が予算編成するっていうのは、2023年までなわけですから。その4年間の中でどういう形でサービスを拡充していくかということを考えていくということです。だから、なんというかな、ゆるめるだけゆるめるということではありません。昔、大阪府がやった減債基金から借りて積み立てを不足させて粉飾するっていってるんじゃないんです。スタンダードなやり方っていうので、一度見直そうよということを考えているわけです。他の政令市もやっている手法を取り入れて。 ━━他の政令市がやろうとしてない都構想をやろうとしているのだから、厳しめに見積もるのが筋だと思いますけど、また試算を見させていただいてから議論させていただければと思います。 松井:そこがよくわからへん。なんで都構想やるのに政令市を厳しめに見なあかんの。 ━━今まで厳しく見積もってきたものを、なぜこの時点でゆるめるのかっていう意図をうかがってるんです。 松井:だからサービス拡充しようと思っているからです。 ━━大阪市が残ることを前提にならわかりますけれども。 松井:大阪市が残るか残らないかは住民次第。 ━━ならば来年以降に見直せばいいと思いますけどもね。 松井:それじゃ間に合わんでしょう来年の予算編成に。これ長期的なシミュレーション考えながらやってるんだから。