時給が高めなので派遣で働こうと思います。派遣で働く場合の注意点はありますか?
派遣社員はアルバイトやパートと比べて、時給が高いのが魅力のひとつです。求人広告を見て、「この仕事でこれだけもらえるなら……」と興味を持つこともあるかもしれません。 しかし、派遣は非正規雇用であるため、長い目で見ると正規雇用の社員と差がつくことも多いのが現状です。そこで本記事では、派遣で働く場合の特に気をつけたい点について解説します。
派遣の労働形態は正社員よりも複雑
派遣で働くにあたっては、まずはその雇用形態の特徴を理解しておくことが大切です。派遣は、正社員や契約社員、アルバイトといった直接雇用とは異なります。雇用主はあくまで派遣元事業主であり、労働契約を結んだうえで賃金も派遣元から支払われます。有給休暇も、派遣元から付与されます。 派遣先(勤務先)とは指揮命令関係にあり、雇用主と仕事上の指揮命令を行う会社が異なる点において、派遣の労働形態は正社員よりも複雑といえます。 また、派遣の場合、労働基準法に関する責務は、基本的に雇用主である派遣元が負うことになりますが、一部を派遣先が負う場合もあります。働いていてトラブルが起こった際には、派遣元事業主と派遣先、それぞれの担当者に適宜相談しましょう。
派遣で働く場合の特に気をつけたい2点
派遣は非正規雇用であり、働くうえではさまざまな点に注意が必要です。本項では、そのなかでも特に気をつけたい2点に絞って解説します。 ◆正社員に比べて賃金が低い 厚生労働省の「『非正規雇用』の現状と課題」によると、非正規雇用の課題のひとつに、賃金の低さが挙げられています。 正社員・正職員では年齢が上がるのに伴い、平均賃金もアップしていく傾向にありますが、正社員・正職員以外では平均賃金は、ほぼ横ばい状態です。生涯年収では大きな差がついてしまう可能性が高いでしょう。 ◆同じ職場で働けるのは原則3年まで 厚生労働省の「派遣で働くときに特に知っておきたいこと」に、「派遣は短期の雇用調整形態であることから、同一の派遣労働者を、派遣先の事業所における同一の組織単位(いわゆる「課」などを想定) に対し派遣できる期間は、3年が限度となっています」とあります。 3年を超え、なお継続して就業を希望する場合、派遣元から派遣先に対して直接雇用の依頼が行われますが、派遣先が直接雇用に切り替えないといけないわけではありません。つまり3年働いても、必ず派遣先の社員にはなれるとはかぎらないということです。