ビュッフェは持続可能か?――葛藤するホテルの試行錯誤とサービスの未来【#コロナとどう暮らす】
食中毒やノロウイルスなどが発生した場合の対策マニュアルは、コロナ禍前から用意されている。新型コロナ感染者が出てしまった場合も、対応するためのマニュアルと準備はある。 ビュッフェがホテル経営の起爆剤になると期待するホテル評論家・瀧澤さんは語る。 「ホテルって、やっぱりお客さんに来てもらっているだけでスタッフのサービス力も上がるし、逆に来てもらえないと駄目になってしまいます。ホテルにとっては今、たとえ儲けは少なくとも、クオリティーの高い料理を提供して、とにかくゲストに来てもらい、喜んでもらうことが大切なのです。『また訪れたい』と思ってもらえるように」 夏の風物詩である食べ放題スタイルのビアガーデンも、複数の人気ホテルでスタートしている。折しも7月中旬に、某ホテルのビアガーデンを取材する予定だったが、ビアガーデン以外で勤務する従業員が新型コロナウイルスに感染。急遽、取材は中止になった。7月末現在、日本全国でホテルビュッフェに起因する感染報道は特にないが、予断は許さない状況だ。 感染対策と顧客のニーズ。安全性を確保し、期待に応えながら、いかに経営を維持、復活させるのか。挑戦は続く。 --- 城リユア(じょう・りゆあ) 出版社の情報誌編集部などを経てライター・編集者として独立。編集プロダクションを設立し、旅、人物インタビュー、女性のライフスタイルなどを中心に執筆を行う。2017年にはベトナムのダナン市で日本のCMやMV、映画などを手掛けるCG、VFXスタジオ・No.1 Graphics Inc.を設立し、夫婦で経営。企画・編集した書籍に『ダナン&ホイアン PHOTO TRAVEL GUIDE ~絶景プロデューサー・詩歩が巡るベトナム』がある。