年金支給額「2.7%」UPも──“実質目減り”のワケ 6月から森林環境税…都市部でも?配分と使い道は【#みんなのギモン】
■「森林環境譲与税」の使い道は?
近野解説委員 「森林整備のための交付金はこれまでもあり、『森林環境譲与税』として2019年度に始まり、国庫から自治体に既に配布されています」 「静岡・浜松市へは2022年度に約3億2500万円が交付されました。使い道は森林保全の他、森の中での作業がしやすいように道を作ったり、地元の木材を使った住宅を建てる時に助成金を出したりとさまざま。市は同年度までの国の交付金を全て使い切ったそうです」 忽滑谷こころアナウンサー 「浜松市は森林が多いということで分かりますが、東京など都市部にも交付されるということなんですよね?」
■渋谷区は交付額の約1割のみ使用
近野解説委員 「なんとなく森林保全というとそういうイメージですが、ほとんど森のない都会にも交付されます。東京・渋谷区に聞きました。5年間で総額約9900万円が交付されましたが、そのうち使ったのは約900万円。ただ都市部はもともと保全すべき森林は少ないです」 「そのため渋谷区では公共施設を建て替える際に国産の木材を使い、その費用に充てられたそうです。残ったお金は、今後老朽化した建物を建て替える際に国産木材を使用するため、今は貯めているとのことです」 「実際、国内では昔より木材が売れないため林業の担い手が減り、その結果森林が荒れるという問題もあります。自治体であれば、まとまった量の木材を買って使ってくれるというメリットはあるようです」 森アナウンサー 「ちょっと納得いかない部分もありますけど、必要だから集めるんじゃなくて、集めてから必要なものを無理くりひねり出しているようにも聞こえちゃうんですけど…」
■森林が多い地域への配分を手厚く
近野解説委員 「どの市町村にどれぐらい交付するか。その配分は森林の面積や人口規模などを基準に計算されています。ただ今年度からは、森林が多く、もっと必要としている地域があるので、そこにより多く交付してくれないかという声がありました」 「私の知り合いの市長に聞きましたが、林野庁などに働きかけた結果、今年度からはより配分が手厚くなる、森が多いところに多少手厚くなるように見直されたそうです」 鈴江アナウンサー 「知り合いに林業をやっている人がいて、切り出しから大きな建物を建てるまで一気通貫でやることで収益性が上がったという話を聞いたことがあります。こういった新しい税が林業そのものの収益性を上げて競争力を高めることにもつながるといいなと思いました」 近野解説委員 「直接的な保全だけではなく、めぐりめぐってということですね。この制度は使い道は公表しなければならないとされています。税なので、徴収する以上は配り方と使い方を絶えず検証して、納税者にとってより納得のいく仕組みに高めてほしいものです」 (2024年5月31日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)
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