延長増でも試合時間減、プロ野球の目指す形とは
今年は延長戦が多いなあ。開幕からまだ14日間の日程が消化されたにすぎないのに、相変わらず野球の試合時間は長いと感じてしまいます。そこで今回は、NPBが組織全体として時間短縮に動いている試合時間と登板投手数の関係について調べてみました。
スピーディーな試合進行
まず初めに、NPBは誰もが感じているその課題を解決し、スピーディーな試合進行を実現するべく2015年シーズンに挑んでいます。現在の野球規則、セ・パ両リーグ「アグリーメント(PACE OF THE GAME:2011年3月1日実行委員会承認)」を一層、周知徹底させることを第一に、「イニングインターバルは2分15秒以内」、「イニング間の投手交代は2分45秒以内」「イニング頭注の投手交代通告から2分45秒以内のプレー再開」といったスピードアップを目的としたアグリーメントをロッカールームへ掲出するなど具体的な行動も取られています。
15年度試合時間の推移は
では、その成果は現在のところ出ているのか検証してみたいと思います。表1、表2をご覧ください。表1は、昨年と今年の開幕14日間に行われた試合で、「9回で決着した試合」のみの平均時間をまとめたものです。一方、表2は「延長戦まで含んだ全ての試合」の平均時間となっております。 表1の9回終了試合を対象とした調査では、セ・パ両リーグ、そして全体でも試合時間減となっており、少なからず成果が出ているように感じられます。しかし、チーム単位ではパ・リーグの全球団が時間減を達成した一方で、セ・リーグでは「巨人」「ヤクルト」「阪神」の3球団のみの達成と少し寂しい結果が出ています。
表2の全試合対象の調査では、パ・リーグが時間減を達成したもののセ・リーグ、そして全体でも若干の時間増に。また、こちらでも表1同様に「広島」「中日」「DeNA」が、そして楽天が新たに時間増を記録しています。一見、延長戦の増加が要因のように思われますが、それについても次項で検証していきたいと思います。