ヴィヴィアン・ウエストウッドが若年層の間で人気過熱 ロンドンやパリでも長蛇の列
「ヴィヴィアン・ウエストウッド(Vivienne Westwood)」が好調だ。国内の2024年度上期(2024年4月~9月)の売り上げは前年同期比129%。コロナ前の2019年度の同期間と比較すると188%の勢いを見せる。人気は日本だけに留まらず、欧米やアジアを中心としたグローバル市場でも売上は好調に推移しており、ロンドンやパリなどの旗艦店の前には、連日行列ができる活況ぶりを見せている。円安でインバウンド需要が高まる日本だけでなく、世界的に人気が過熱している理由を国内のブランド担当者に聞いた。 【画像】世界の若年層が夢中になるヴィヴィアン・ウエストウッドのアイテム
世界の若年層から支持拡大
好調にはトレンドが継続しているY2Kブームも影響している。SNSを中心にブランド認知度が高まったことから、オーブネックレスやリングといったアイコニックなアイテムを中心に若年層からの興味関心を集め、ショップへの来店や購入に繋がっているという。また、トレンドが後押しし海外セレブリティやアーティストの着用が増加。本国や日本の公式SNSアカウントでこういった着用情報を積極的に発信することで、これまでリーチできていなかった幅広い層から注目を集めている、と担当者は手応えを見せる。 このほか、故ヴィヴィアン・ウエストウッド(Vivienne Westwood)氏が行っていた社会問題に関する活動や、それを反映するサステナブル素材を使用したアイテムが、特にソーシャルイシューに関心を持つ若年層の心を掴んでいるというのが同社の考えだ。
インバウンドに限らない国内人気の高さ
国内では特に、東京をはじめ大阪や福岡、京都、北海道の各店舗が好調。コロナ禍が落ち着き、入国時水際対策が緩和された2021年10月を契機に店頭に訪れるインバウンド客数が回復した。現在の顧客層の割合は国内客が6割、インバウンド客が4割程度だという。 カテゴリーでは、ブランドのエントリーアイテムでもあるネックレスやリングといったジュエリーやバッグ、革小物類の人気が高いが、それらをきっかけに衣類やマフラー、帽子などの他カテゴリーを購入していく顧客も増えている。国内客は定番商品からシーズン商品まで幅広くニーズがあり、インバウンド客にはシーズン商品以上に定番アイテムを好む傾向が見られ、雑貨、アパレル共に人気アイテムのカテゴリーは幅広い。アパレルアイテムは、本国のレディトゥウェアに並び日本展開の「ヴィヴィアン・ウエストウッド レッドレーベル(Vivienne Westwood RED LABEL)」も売れている。同レーベルは今年9月に日本橋三越本店新館にも新店舗をオープン。高まる人気に合わせて展開を強化していく。